#4|海に架かる橋はどうつくるの? <こどもみなぶん>
2020/06/07美しい姿を見せる白鳥大橋=2013年(本社ヘリから、村本典之撮影) 読者のみなさんの疑問を取材する「みなぶん特報班(みんなで探る ぶんぶん特報班)」が、こどもたちから質問を募った「こどもみなぶん」に、さまざまな取材リクエストがLINEで寄せられました。北海道新聞の記者がこどもたちの「なぜ」を調べ、その結果を紹介します。主塔や橋桁は部品に分け、船で運び建設
江別市の小学4年生、大塚康佑(おおつか・こうすけ)君(9)は、テレビ番組で海に架かる長い橋を見て疑問に思いました。「海の上なのに、どうやって橋を架けているのかな。北海道にも同じような橋はありますか?」
北海道にも海に架かる橋があります。その代表が室蘭市の室蘭港に架かる「白鳥大橋」です。長さ1380メートル。つり橋としては東日本で1番目、日本全体でも10番目に大きいそうです。
工事は、1985年から98年まで13年もかかりました。この橋を造るのに関わった室蘭の楢崎製作所で働いている西村公利(にしむら・きみとし)さん(49)に取材しました。
まず、大きな橋を造る材料はどのように運ぶのでしょうか。「水上スキーみたいなものを使って、人が海の上で造っているのかな」。康佑君の予想です。西村さんに聞くと、「大きくて重い材料は船で運びます」と教えてくれました。
例えば、白鳥大橋には高さ140メートルの巨大な柱が2本あり、「主塔」と言います。重い橋をつり上げるため、太さ約50センチの「ケーブル」と呼ばれる綱を支えるために建てます。2本の主塔は、それぞれ38個の部品に分けて運び、積み木のように積み上げました。
また、橋の道路の部分の「橋桁」は、61個の部品に分け、1個ずつロープでつって固定しました。
主塔や橋桁の材料は、どれも台船という船で運びました。たくさんの荷物を載せられるよう、船の上の「甲板」と呼ばれる部分が広くなっています。台船は自分で進むことができないため、工事現場まで別の船に引っ張ってもらいました。
主塔は、海面からの高さが札幌市の「さっぽろテレビ塔」(147メートル)と同じくらいで、水面の下の深さも57~73メートルあります。西村さんによると、主塔を建てるときは塔の根元部分に人工の島を造り、重機で海底を掘り進めたそうです。
主塔には、エレベーターも付いていて、高い所で作業をしやすくしたり、ケーブルの下の部分には人が作業をするための通路を造ったりし、「橋そのものにも作業をしやすい工夫をしていました」と言います。
白鳥大橋のほかにも、道内で海に架かる橋として、室蘭市の人工島「Mランド」に渡る「追直漁港橋」(262メートル)や、釧路管内厚岸町の「厚岸大橋」(456メートル)などがあります。どれも江別市からは遠いですが、いつか見に行けるといいですね。(佐藤圭史)
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