#2|カラスはなぜ黒いの? 太陽の光から体を守るため 【こどもみなぶん】
2020/05/31札幌の街中で見つけたハシブトガラス。日差しで羽の付け根辺りが青っぽく見える=2020年1月、札幌市中央区(中村真樹子さん提供) 読者のみなさんの疑問を取材する「みなぶん特報班(みんなで探る ぶんぶん特報班)」が、こどもたちから質問を募った「こどもみなぶん」に、さまざまな取材リクエストがLINEで寄せられました。北海道新聞の記者がこどもたちの「なぜ」を調べ、その結果を紹介します。どこに住んでいても見かける鳥に、カラスがいます。「なぜ、カラスは黒いの?」。上川管内剣淵町の西尾颯真(にしお・そうま)君(3)の質問です。身近な鳥ですが、知らないことも多いですよね。
たくさんの種類の鳥を観察している「日本野鳥の会」に問い合わせてみると、会長の上田恵介(うえだ・けいすけ)さん(69)が答えてくれました。「なぜ黒いのか。たしかな理由は分かっていないのです」。そう話しつつ、答えを考えてくれました。
太陽の光には、浴びすぎると皮膚や羽に良くない「紫外線」が含まれています。黒色はその紫外線を吸収し、体を守ってくれます。「カラスはほかの鳥に比べて行動範囲が広く、森だけではなく、畑や街にもエサを探しに行きます。畑や街には木が少なく、太陽の光をたくさん浴びてしまうので、体を守るために黒くなった可能性があります」。そう説明してくれました。
札幌で毎日カラスを観察している「札幌カラス研究会」の中村真樹子(なかむら・まきこ)さん(54)に話を聞くと、「羽の色は黒だけではないんですよ」と教えてくれました。
札幌市の大通公園を歩くハシブトガラス=2020年5月 札幌の大通公園でカラスを観察しました。街中でよく見かける、くちばしの太い「ハシブトガラス」は、羽に光が当たると青っぽくキラキラしていました。この色は「瑠璃色」というそうです。中村さんは「カラスは真っ黒なイメージがあるかもしれませんが、光の当たり方によっては、とても美しい色に見えるんです」と話していました。
ただ、今の時期は、近くで観察するには注意が必要です。カラスにとって6月~7月上旬は、ひなが卵からかえり巣立ちを迎える子育ての時期。親ガラスは子どもを守ろうと、近づいた人間のすぐそばを飛ぶなどして威嚇します。「子どもを守りたい気持ちは、カラスも人も同じです。遠くで見守ってあげてね」。中村さんは、そう呼びかけています。(岩崎志帆)
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