子どもの過ごし方、切実な悩み <新型コロナで休校 子育て世帯アンケート>

新型コロナウイルス対策で、道内の小中学校などが臨時休校となって3週間が経過した。北海道新聞くらし報道部が、休校による日常生活への影響について、子育て世帯に実施したウェブアンケートには、子どもの運動不足やウイルスへの感染などを心配する声が多く、共働きやひとり親家庭では子どもの預け先の確保や仕事との両立に苦労する状況が浮かんだ。仕事が激減したことにより「収入減で生活できない」など切実な訴えもあった。

預け先探し一苦労/家族間ストレスも 運動不足も心配

アンケートはホームページやSNSを通じて12~18日朝まで実施、20~70代の計52人から回答が寄せられた。

子どもの生活に関して「今、不安に感じること、困っていること」を複数回答で尋ねたところ、「運動不足」が77%と最も多く、次いで「家庭での過ごし方(71%)」「ストレスや精神面(52%)」「コロナウイルスへの感染(48%)」「学習の遅れ(44%)」などだった。

保護者が感じる課題や不安、不満

子どもの気になる様子を自由記述で回答してもらったところ、「テレビゲームをする時間が増えた」「起床、就寝の時間が遅くなった」「ケンカが増えた」「言葉が荒くなった」「始業式など4月以降がどうなるか不安に感じている」などが目立った。保護者自身が感じる課題や不安について(自由記述)は、「マスク不足」「自身への感染リスク」「欠勤中の給与補償」「(ストレスがたまったことによる)夫婦仲の悪化」などがあがった。

共働きやひとり親家庭の仕事中の子どもの預け先について(複数回答)は、最多が「自宅に子どもだけ」の57%で、「児童会館・ミニ児童会館・学童クラブ(20%)」「親戚に預かってもらう(18%)」「自分・夫婦どちらかが仕事を休む(14%)」などと続き、ウイルスの影響で「仕事がなくなった」という声も9%あった。

コールセンターで働く札幌市の女性(46)は「パートなので有給休暇も少なく、すでに使い切ってしまったため、やむを得ず子どもを家に残して働いている」。パートで働く飲食店が休業となり「仕事がなくなった」という北広島市の女性(42)は「2人の子どもの小学校が正常に機能してくれないと働けないが、この先の生活がどうなるのか不安」などとつづった。

ひとり親家庭の状況も切実だ。1歳から小学生までの子ども3人を育てる札幌市の会社員女性(27)は「給食がなくなったことによる食費がつらい。子どもたちを連れて職場には行けず、頼れる親戚や親もいないため、仕事を休んでいるが、収入もほぼなくなり、これ以上の休みは職も失いそう」と窮状を訴えた。

一方、小学生2人を育てる室蘭市の主婦(39)からは「専業主婦(主夫)は常に家にいるので、臨時休校の影響はないと思われているように感じるが、そうではない。子どもと一日中、家の中で向き合わなければならず、お互いにストレスがたまる。主婦でも子どもを預けられる場所があれば」という声もあった。

また、「仕事とのやりくりをどうしているか(自由記述)」では在宅勤務や子連れ出勤をしたり「早めの帰宅を心がける」「職場に理解してもらえるよう、家庭状況など常に現状を説明している」、留守番する子どものために「休憩時間は家に戻る」「こまめに職場から電話する」といった、さまざまな工夫が寄せられた。(根岸寛子)

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