• 学童再開、現場はキツイ 一斉休校1週間

    休校中の小学校に代わり、児童を日中に預かる学童保育施設。保護者との連絡ノートには感謝の言葉がつづられていた=4日、室蘭市の白蘭スクール児童館
    新型コロナウイルス対策で、全国に先立って始まった道内小中学校の臨時休校が5日で1週間となる。市町村の多くは学童保育施設も休館としたが、その後の政府の活用方針を受け一転、再開への対応に追われた。結果的に他都府県より出遅れた形となったが、児童が想定以上に施設に集まれば、感染リスクが高まるとの声も。専門家は集団感染の可能性を踏まえた対策を求めている。

    休館一転、準備に格闘/集団感染、対策悩む

    「先生、遊ぼー」―。室蘭市の白蘭(はくらん)スクール児童館に4日、マスク姿の子ども10人の元気な声が響いた。長島紀子館長(70)は「思ったより利用は少ないが、預けなくてはならない保護者がいるのは事実」と話す。同市は施設を一時休館していたが、2日から白蘭を含む15カ所を再開させた。

    鈴木直道知事は2月25日、道内の小中学校に休校を要請。全市町村は27日もしくは28日から始め、ほとんどが子ども同士の接触を避ける趣旨を踏まえ、放課後などに児童を預かる学童保育施設の休館も決めた。一方、政府は27日、小中高の休校を打ち出し、共働き家庭の児童らを預かる受け皿として、学童保育施設の活用を設置者に要請した。

    これを受け、道内の人口上位12市のうち、室蘭以外も3月5~9日から日中を含めた受け入れを再開。全国的には一斉休校が始まった2日から既に実施している市町村が多く、遅れたのは「職員の態勢を整えるのに時間がかかったため」(旭川市)などと説明する。

    学童保育施設での児童受け入れ開始日

    札幌7日から

    札幌市は7日から199カ所で希望する小学生を預かる。旭川市は5日からで、小学校校舎や教員も活用。各市町村とも消毒や換気を徹底するが、できる限り自宅で子どもの面倒を見るよう呼び掛ける考えだ。

    厚生労働省は感染予防のため、学童保育施設内の座席を1メートル以上離して配置するよう求めているが、道外では利用希望が殺到し、室内がすし詰め状態となるケースも出ている。釧路市の担当者は「接触は避けさせたいが、子どものストレスになるような極端な制限はできない」と危惧する。

    保護者は複雑

    保護者の思いもさまざまだ。共働きで3歳から小学1年まで3人の子どもを育てる札幌市北区の女性(33)は「もっと早く受け入れを始めてほしかった」と訴える。勤務先の介護施設は新型コロナウイルス対策で2時間ごとに消毒を行うなど業務が急増。「休める状況になく、実家や友人に子どもの世話を頼むのにも限界がある」と言う。

    小学生を含む3人の子育て中の札幌市豊平区の女性(39)は「過密状態になるようなら安心して預けられない」と気をもむ。「学校の宿題は1時間程度で終わり、毎日、時間を持てあましている。実家に『疎開』させることも考えたい」

    自治医大の田村大輔准教授(小児感染症学)は「人が集まる以上、集団感染のリスクをゼロにはできない」と強調。《1》近距離で過ごすことを避ける《2》手洗い、マスクの着用《3》定期的な換気や空気清浄機による空気の循環―を求めている。(渡辺愛梨、下山竜良、野呂有里)

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