赤平に子育て世帯向けの市営住宅 建材で防音性、安全面に配慮 8月に完成予定

建設工事が続く吉野第一団地1号棟の現場=16日

【赤平】市が初めて、子育て世帯向けの市営住宅の建設に乗りだした。従来に比べて防音や転倒時の衝撃を緩和する性能を高めた構造などが特徴で、人口が1万人を割り込む中、定住や転入を促して人口減少に歯止めをかける狙いだ。

近くの保育所、小学校、中学校まで300~900メートルの市内豊丘町に、昨年8月に着工したのが吉野第一団地1号棟。鉄筋コンクリート2階建て計11戸で、延べ約1040平方メートル。ことし8月に完成予定で、現在は基礎工事が続いている。募集は5月に始まる。総事業費は約2億9千万円。

2014年度の公営住宅等長寿命化計画などで子育て世帯向け住宅の建設を目指し、16年度に子育て世代へ聞き取りを行った。1971~73年建設で老朽化した同棟の建て替え新築工事に合わせ、11戸中4戸を子育てしやすく設計した。

完成イメージ図(赤平市提供)

完成イメージ図(赤平市提供)

例えば、コンクリートの床材やクッション材を一般より厚くして、ほかの部屋に音が漏れにくくしたり、転倒時の安全性を高めた。居住面積を一般向けより広めにして、学習机やベッドを置きやすくした。聞き取り調査で要望が多かった2台分の駐車場や、室内の電動物干しなどを備え、穴を開けずにマグネットで紙を貼れる壁材を使用した。

炭鉱で栄えた赤平市の人口は、最盛期の60年に5万9430人を数えた後、閉山などで減少を続け、昨年9月末に1万人を割った。市は民間賃貸住宅への家賃助成や高校生までの医療費無料などと合わせて、子育て世帯の増加を目指す。

入居できるのは、小学生以下の子供がいる所得などの条件を満たす世帯。応募は市内外を問わない。林賢治建設課長は「同様の子育て世帯向け住宅をさらに3棟計画している。多くの応募を」と話す。問い合わせは同課(電)0125・32・1820へ。(森田彰)

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