• 双子用ベビーカー、名古屋で「バス乗車拒否」投稿 石狩管内の母親に波紋

    ベビーカーに息子2人を乗せる母親。地下鉄はよく使うが、バス利用は「諦めている」

    SNSに11月上旬、ベビーカーに双子を乗せた母親が「名古屋市の市バス運転手から乗車拒否された」と投稿し、全国で話題を集めている。石狩管内ではJRや地下鉄はベビーカーを折りたたまずに乗車できるが、バスは事故防止のため、折りたたんで乗ることを呼び掛けている。子育てをしている人の中には「子どもを抱えながらベビーカーをたたむのは無理」とバスの乗車を諦める人も少なくない。専門家は親子の活動範囲を狭めない社会づくりを訴えている。

    この母親は乗車拒否された後、市バスに問い合わせると「双子ベビーカーは乗車拒否と決まりました。たためばOK」と言われたと投稿。この投稿のリツイート(転載)は6千件を超えた。名古屋市交通局によると、スペースのある大型バスは2人用ベビーカーを折りたたまずに乗車できるが、中型・小型バスは折りたたむ必要があるという。

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    「最初から利用諦めている」

    ベビーカーの対応について石狩管内の交通機関は対応が分かれる。JR北海道や札幌市営地下鉄、市電は1人用、2人用を問わずベビーカーをたたまずに乗れる一方、北海道中央バス、ジェイ・アール北海道バス、じょうてつバスは折りたたむのが原則。急ブレーキで車輪が動いた場合の事故を防ぐほか、古い車両は乗降口の段差が急で、車内スペースが十分でないことも理由という。

    「バスに乗るのは最初から諦めている」と話すのは、1歳8カ月と6カ月の息子2人を育てる札幌市豊平区の女性(29)。外出は2人用のベビーカーで地下鉄を利用する。「子どもと荷物も抱えて、たたむのは現実的じゃない」と漏らす。市内で2歳の双子の女の子を育てる女性(36)は以前ベビーカーを利用していたが今は抱っこひもを使う。「混雑した地下鉄では周囲に遠慮し、ベビーカーが使えない」と言う。

    NPO法人子育て応援かざぐるま(札幌)の山田智子代表理事は「双子や三つ子の育児の過酷さは想像を絶する。外出時のプレッシャーから閉じこもりがちにならないよう周囲の配慮や、ヘルパーの同行などの公的支援が必要」と指摘。北星学園大の鈴木克典教授(交通計画)は道内のバス事業者は経営難からバリアフリー対応の車両導入が進まない事情があるとした上で、「折りたたむ必要があっても、運転手や周囲の乗客が手助けしたり声掛けすることで子育てしやすい環境になる」と話す。

    取材・文/久保田昌子(北海道新聞記者)

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