• 郊外のパン屋、のどかさも味 道内各地の店を訪ねて

    【森、美瑛、当別】街外れの森や畑の中にひっそりとたたずむパン工房。素材や製法にこだわる職人が、体に優しく、おいしいパンを作り、周囲は焼きたての香ばしい匂いが立ちこめる。そんな道内各地の店を訪ねてみた。

    駒ケ岳の麓

    「おおば製パン」でパン作りに情熱を傾ける大場さん
    「おおば製パン」でパン作りに情熱を傾ける大場さん。窓ガラスに駒ケ岳が映り込む(小葉松隆撮影)

    渡島管内森町の中心部から車で15分ほど。駒ケ岳の麓に広がる雑木林の一角に「おおば製パン」はある。

    函館市内の人気洋菓子店の職人だった大場隆裕さん(45)が2016年4月に開店。石窯でまきを燃やしてパンを焼く昔ながらの製法にこだわり、「まきが入手しやすく、煙の迷惑がかからない場所を選んだ」。

    毎日午前2時半から5時まで、まきを燃やして窯を温め、余熱でパンを焼く。「感覚を研ぎ澄まし、パン作りに集中できるのはこの場所ならでは」と言う。

    有機栽培の道産の小麦とライ麦、同管内八雲町産の塩などを使った「カンパーニュ」(1個1200円)などが人気。“手間”が生み出す豊かな味わいのとりことなり、札幌など遠方から通う人もいるという。(中村公美)


    おおば製パン 渡島管内森町赤井川。
    営業時間は午前11時~午後5時、月曜定休。☎︎01374-7-1120

    畑にぽつん

    畑​に​囲​ま​れ​た​パ​ン​屋​「​小​麦​畑​」​で​自​慢​の​無​添​加​パ​ン​を​手​に​す​る​鈴​木​さ​ん​
    畑​に​囲​ま​れ​た​パ​ン​屋​「​小​麦​畑​」​で​自​慢​の​無​添​加​パ​ン​を​手​に​す​る​鈴​木​さ​ん​(​舘​山​国​敏​撮​影​)​

    上川管内美瑛町で人気のパン工房「小麦畑」は丘陵地帯のパッチワーク状に広がる畑の中にぽつんと立つ。人工添加物を使わず、地元産の小麦や卵など、素材を厳選。食パン(1斤380円)、あんパン(160円)など20~40種類のパンを作る。

    店主の鈴木仁さん(65)は大阪出身。生命保険会社の札幌勤務時代に無添加のパンに出合い、おいしさを忘れられず早期退職した。札幌で3年間修業し、2004年に景観が好きな美瑛町に店を構えた。

    店は数カ所に立てた案内板で確認して進まなければたどり着かないような立地だが、小麦の香りと味がしっかり残るパンの評判が口コミで広がった。鈴木さんは「畑に囲まれ、のんびりした雰囲気を気に入ってくれる客も多い。体に優しいパンを作っていきたい」と話す。(前田健太)


    小麦畑 上川管内美瑛町大村大久保協生。
    10~12月の営業時間は午前9時~午後4時。水、木曜定休。☎︎0166-92-5455

    一面雪景色

    「パン屋 きみかげ」の山本さん
    石窯の温度に細かく気を配りながらパンを焼き上げる「パン屋 きみかげ」の山本さん(国政崇撮影)

    石狩管内当別町東裏の小麦畑に続く道にある「パン屋 きみかげ」。離農跡の住居などを改装し、山本泰弘さん(47)、可鈴さん(39)夫婦が15年に開いた。石窯を備えられる店を開く場所を探す中で、「周りののんびりした風景が気に入った。冬は一面の雪景色を楽しめる」と可鈴さん。

    石窯は高さ2メートル、幅3.4メートル。毎日午前5時からまきを入れ、7時すぎから窯の温度に合わせて、クロワッサン(216円)、道産小麦100%の山食パン(1斤626円)など約20種類を次々と焼き上げる。

    町内をはじめ、札幌などからの来客も多い。夫妻は「わざわざ来てくれるのはありがたい」と笑顔を見せ、「自分たちがおいしいと思うパンを作り、楽しくお店を続けていきたい」と語る。(田辺恵)


    パン屋 きみかげ 石狩管内当別町東裏。
    営業時間は午前10時~午後5時30分。日、月曜定休。☎︎0133-27-6021

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