上士幌の子供、高齢者が見守り 母親支援の町事業、活動拡大 登録者募集

乳幼児救急講習会で赤ちゃんをあやしながら見守る高齢者たち=11月23日

乳幼児救急講習会で赤ちゃんをあやしながら見守る高齢者たち=11月23日

【上士幌】産前産後の母親を支援する町の事業「ママのHOTステーション」の事務局は11月下旬から、母親向けの勉強会で地域の高齢者が子供の世話をし、見守る取り組みを始めた。新型コロナウイルス禍で孤立しがちな高齢者と子育て世代をつなぎ、交流を深める狙い。高齢ボランティアは「ベビチア」と呼ばれ、現在は約15人が登録。事務局は活動をさらに広げるため、登録する高齢者を募集している。

「眠くなったかな」。上士幌消防署で11月23日に開かれた乳幼児救急講習会。年配の女性らが、眠くなってぐずる乳児を抱き上げたり、おもちゃであやしたりしていた。その横では、母親や父親が乳幼児サイズの人形に心臓マッサージを施すなど、真剣な表情で緊急時の対応を確認した。生後5カ月の長男を預け、夫と参加した町内の主婦木原理央さん(29)は「集中して講習を受けられた」と満足げな表情を浮かべた。

ママのHOTステーション事業は2020年7月、町が町内のまちづくり会社「生涯活躍のまちかみしほろ」に委託して始まった。今回始めた「ベビチア」は、事務局の倉嶋香菜子さん(44)の発案。自身も息子3人の母親で、地域のお年寄りの「大丈夫」という言葉に救われてきたといい、「皆が笑顔になる仕組みをつくりたかった」と話す。

主な目的は地域の中につながりをつくり、高齢者の孤立を防ぐことだが、育児に悩む母親が子育て経験者から知恵や安心感をもらえる効果もあるという。

11月23日の乳幼児救急講習会に参加したベビチアの佐藤美加代さん(67)は「赤ちゃんから幸せをもらった。子供が幼いと行ける場所が限られるので、母親を支えるためにも、また参加したい」と話す。

同日の講習会には子供13人、ベビチア11人が参加。同29日にも講習会を開いた。事務局は今後も母親向けの勉強会を開き、ベビチアを積極的に活用する方針で、倉嶋さんは「地域全体で子供たちを育てたい」と話している。(古谷育世)

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