連載コラム「井澤綾華の働くママごはん」第6回
ファームイン 農業の応援団増えれば
井澤農園では私が嫁いでから、高校生や大学生の職業体験や、農村に泊まるファームインを行っています。今年は春と夏に私の後輩である天使大(札幌)の学生を農業体験で受け入れました。
学生の受け入れにはメリットもありますが、食事や休憩時間など気を使わなくてはいけないことも少なくなく、慣れない家族には心労がかかることもあります。それでも受け入れるには意味があります。それは未来の農業の応援団を増やしたいからです。
都心から車で20~30分走れば農家には会えます。しかし、消費者は農家を職人のように気難しい存在だと思っていることが多い。食卓を支えてくれているのに、作り手の顔や作業風景が見えづらく、誰がどんな思いで生産しているのかが、なかなか分からない。その精神的な距離のために、農業を「食」と分離して考えることにつながっているのではないかと思います。
でも実際に学生を農家に会わせると、学生は目を輝かせ、農家はその学生の顔を見て得意げに話します。自分の農場で誇りを持って働く農家の姿に私が魅了されたのと同じように、学生たちもどんどんその人自身と作物に興味を持ちます。私は二者の距離が縮まるその瞬間がたまらなくうれしいのです。
その後、農産物をその農家から買うことでももちろん、SNSなどでつながって応援してくれるだけでも現場のモチベーションは変わります。近年、天候不順や天災による農業のニュースが多く取り上げられていますが、生産の現場から食を理解し、冷静で賢い消費者になってほしいです。
写真提供/井澤綾華さん
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