混浴上限6歳、石狩管内の施設おおむね歓迎 「目が届かない」心配する保護者も

混浴できる年齢の上限や身長の基準を伝える「天然温泉森のゆ」(北広島市)の案内板

道が来年4月に銭湯などで子どもが混浴できる年齢を、現行の9歳までから6歳までに引き下げる方針を示し、石狩管内の入浴施設からは「子どもの心身の発育が早まる中、盗撮など性被害の防止につながる」とおおむね歓迎の声が上がった。一方、子どもと別々に入浴するのを心配する親もおり、「お客さんへの丁寧な説明と配慮が必要」との声も出ている。

「同級生の男子と浴場で会うのを嫌がる女の子はいる。早く引き下げた方がいいと思っていた」。混浴可能な年齢を9歳までとしている、札幌市豊平区の月見湯で番台に立つ山口未来さん(25)はそう話す。別の入浴施設も「女性のお客さんが『男の子が入ってきた』と慌てて報告に来たこともある」と明かし、上限年齢引き下げを歓迎した。

混浴可能な上限年齢引き下げの対象施設は、銭湯やスーパー銭湯、日帰りの温泉施設など。道内で約1250カ所ある。公衆浴場で混浴できる年齢の上限は都道府県や保健所設置市が条例で定めており、既に6歳に見直した府県もある。道は近く道議会に条例改正案を提出する。保健所を設置する札幌市も道と足並みをそろえる方針だ。

北広島市の「天然温泉森のゆ」は、道の方針に先行して混浴可能な年齢を8歳以下、身長を125センチ未満とする独自の制限を設けてきた。山根道子社長(50)は「トラブルを減らすためにも上限年齢引き下げは良い。掲示や声かけで周知を徹底したい」と語る。

異性の親と別々の浴場となると、大人の目が届かず子どもがけがをしたり周りに迷惑をかけたりしないか懸念する声もある。1男1女を一人で育てた札幌市の50代女性は「小学生の息子だけで男湯に行かせるのは心配だった」と振り返る。

道は子どもが障害などを理由に1人での入浴が困難な場合、公衆浴場に柔軟な対応を認める規定を設ける方針。異性の子供がいるひとり親家庭については入浴施設側に配慮を求める。

既に配慮を心がけている施設もある。札幌市清田区の温浴施設「湯の郷 絢ほのか」では、10歳くらいの男児を連れた母親から「息子が一人で浴場に入れない」と相談され、スタッフが男湯で男児を見守ったという。石田麻美支配人(38)は「今後も安心して利用してもらえるよう、できる限り協力したい」と話した。

この記事に関連するタグ

Ranking

  • すべて
  • ニュース
2024
4/24
WED

Area

北海道外

その他