木の温もり知って 乳児も遊べる「森の輪」 帯大谷短大・馬場さん開発

十勝産木材で作った新生児から遊べる木工品「森の輪」

帯広大谷短大の社会福祉科子ども福祉専攻で専任講師を務める馬場拓也さん(27)が乳児から遊べる木工品「森の輪(わっこ)」を開発した。新生児に贈る祝い品として各自治体に提案しようと十勝総合振興局などと運営委を立ち上げ、「すくすく十勝応援プロジェクト 森の輪」を始動。8月から、上士幌と池田で配布を始める。

出産祝いの取り組みは、管内の自治体でも導入事例があるが、多くは祝い金の支給となっている。馬場さんによると、全国的に木製品を贈る自治体も増えているが、積み木や椅子など使用できる対象年齢が高く、費用も比較的高価で出生児数の多い地域では普及が難しいという。

馬場さんは短大で教える傍ら、木工アーティストとしても活躍。木育の普及にも取り組んでいることから、出産祝いとして生後3カ月ぐらいの乳児から遊べる木工品「森の輪」を考案した。直径約8センチ、厚さ約2センチのドーナツ型で、乳児がにぎったり、くわえたりできるサイズとなっている。

馬場専任講師(左)ら森の輪プロジェクトの運営委メンバー

馬場専任講師(左)ら森の輪プロジェクトの運営委メンバー

材料には管内で伐採、加工されたサクラ、シラカバ、タモ、イタヤカエデ、ニレの5種類を使用。製作費は1個約800円に抑え、加工は管内の木工業者などに委託する。「森の輪」の名称には、「輪」を「わっこ」と呼ぶ北海道の方言をかけ、森と人をつなぐ輪を広げたいという思いを込めた。

プロジェクトに参加する池田では8月1日から出産祝い金の受け渡しと一緒に、上士幌は同20日から乳児健診時に祝い品として贈る。初年度に協力する2町には、無償で森の輪を用意。来年度からは、各自治体の予算で参加する市町村を募るという。

馬場さんは「まずは管内の自治体に広めていき、さらに道内外にも展開していきたい」と意欲を語っている。

問い合わせは「森の輪」の電子メールinfo@morinowakko.com、または十勝総合振興局森林室の浜田室長(電)015・576・2165(代表)へ。(正井晶子)

この記事に関連するタグ

Ranking

  • すべて
  • ニュース
2024
4/25
THU

Area

北海道外

その他