生まれたての表情届けたい コロナ下で対面できず…赤ちゃんの写真をSNSで発信 砂川市立病院
【砂川】砂川市立病院は院内で生まれた赤ちゃんの写真をSNSで発信しており、新型コロナウイルス対策で面会制限が続く中、わが子を早く夫らに見せたい母親や、わが子や孫との対面を心待ちにする父親、祖父母らに喜ばれている。コロナ禍を乗り越え、出産の喜びを広く分かち合ってもらおうと病院職員が発案し、昨年5月に発信を始めた。これまで撮影したのは約200人に上り、出産という人生の一大イベントを応援している。
<Dear Baby 「生まれて来てくれてありがとう。」 From Mother>
今月8日、病院のフェイスブックに赤ちゃんのかわいい寝顔の写真がコメント付きでアップされた。投稿を病院に申し込んだのは、7日に次女を出産した滝川市の農業平沢さとみさん(30)。「赤ちゃんの姿を見て、みんなが元気になってくれたら」と考え、投稿を依頼した。
8日の撮影時、職員が「かわいいですね」と言いながらシャッターを押したのが印象に残ったといい、「主人も見て良いねと言ってくれた。コロナ下でも、病院が『できることはないか』と考えてくれたのがうれしい」と話す。
同院は空知管内中部と北部で唯一出産できる病院で、2020年から感染対策で出産の立ち会いや入院の見舞いを中止し、出産してから約1週間後の退院まで母親以外は赤ちゃんに対面できなくなった。
病院のホームページの編集を担当する事務局経営企画課の明山優夏さん(25)は「家族に早く赤ちゃんを見てほしい。何かできないか」と考え、写真をSNSで発信することを思いついた。上司の佐藤大作係長(40)の賛同を得て、21年5月から始めた。
まずは出産して入院中の母親にスタッフが撮影の申込書を配る。希望した母親の病室に明山さんや同僚の中山柚希さん(20)らが出向き、一眼レフカメラで赤ちゃんを撮影後、FBと「インスタグラム」に投稿する。「頑張って出てきてくれてありがとう」「元気にスクスク育ってネ!!」などのメッセージのほか、母親が希望すれば赤ちゃんの名前を添えている。
かわいい表情をとらえようと、赤ちゃんが泣きやむのを待つなど気を配る。中山さんは「双子を1枚の写真で撮影する時は、どちらかが動いてしまい大変だった。看護師さんに協力してもらい、なんとか撮影できた」と笑顔で振り返る。
同院では年間400~500人の赤ちゃんが生まれる。その約4割がSNSに登場し、昨年度は164人、本年度は今月22日現在で48人に上る。
明山さんは、母親から「ありがとう」と言われるたびにやりがいを感じるといい、「コロナ下だからこそ、赤ちゃんの写真でお母さんや家族が癒やされてほしい。面会制限が続く間は続けたい」と話している。
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