• 苫小牧に私設絵本図書館「宇宙船みみ」 4千冊収蔵「親子の架け橋に」

    苫小牧市中心部に7月1日開館の絵本図書館「宇宙船みみ」

    苫小牧市の中心部に私設の絵本図書館が7月1日、開館する。運営するのは、各地で読み聞かせ活動を続ける札幌市の松嶋珪子(けいこ)さん(81)。帯広に開設していた私設図書館を移転させての再出発となる。絵本や児童書約4千冊をそろえ「親子がゆっくり交流できる場にしたい」と優しくほほ笑む。

    場所は苫小牧駅前通商店街の一角の表町3丁目で、ローソン王子町店のはす向かい。3階建ての絵本図書館は、ウサギのような大きな耳を持って子どもの話をよく聞きたい、という思いを込め、「とまこまい宇宙船みみ」と命名。松嶋さんが私費を投じて空き地に新築した。1階は「はらぺこあおむし」「はじめてのおつかい」といったお気に入りの絵本をずらりと並べた閲覧室、2階は絵などを飾るギャラリー、3階は住居スペースだ。

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    自身の子育てを通じて絵本の魅力に目覚め、読み聞かせボランティアを続けていた松嶋さんは、夫の医師喬(たかし)さん(82)が帯広市内の高校を卒業した縁もあり、長年の夢だった絵本図書館を2012年、帯広の住宅街に開設。札幌からJRで週1回通い、絵本の館を大切に守ってきた。

    ただ、帯広までの約3時間の移動が体力的につらくなり、今年3月に惜しまれつつ閉館した。苫小牧はかつて幼稚園の図書館長を務めたほか、苫小牧信金本店の市民サロンで15年から読み聞かせ会を毎月開いているなじみの場所。移転して絵本図書館を続けることを決めた。

    松嶋さん
    「絵本をたくさん読んで優しい心を育ててほしい」と話す松嶋さん

    80歳を過ぎての大きな決断に周囲からは反対もあった。苫小牧での土地取得や建物新築のために折衝した不動産業者や建設業者は、初めは半信半疑。「本気ですか」と何度も聞かれた。

    それでも思いを貫いたのは、たくさんの子どもに絵本を読んでほしいから。「親子のスキンシップが薄れがちな時代でも、絵本は子と親の架け橋になる」という気持ちは揺るがなかった。「子供たちの笑顔が私の元気のもと。子どもがここで読んだ本を大人になってからもう一度読み返したくなるような、そんな館にしたい」と語る。

    当面は札幌からJRで通い、知人の助けも借りながら毎日開館する。いずれはここに移り住むつもりという。開館時間は午前9時~午後5時。絵本の貸し出しはせず、閲覧のみ。利用は無料。(工藤雄高)

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