連載コラム「井澤綾華の働くママごはん」第3回
「好き」を増やす 「嫌い」自覚させない工夫を
食の好みは、長い時間かけて形作られます。嫌いなものは、よほどのきっかけがないと克服できません。
実は「野菜農家だけど野菜が嫌い」という人は、つい笑ってしまうほど多いのです。作るのと食べるのとは、全く別なんですね。夫もその1人でしたが、今は何でも食べるようになり「お客さんに自信を持って勧められる」と言います。
昨年の秋、札幌で開かれた食育イベント「はじめのひとくち展」で講演をしました。「大人の接し方一つで、子どもに『嫌い』を自覚させない方法はたくさんある」とお話ししました。
まだ言葉の分からない幼児の場合、口から出しちゃった食べ物を「嫌いなもの」と決めつけるのは早すぎます。食感が合わない、苦みが強い、冷たすぎる、熱く感じるなど、調理法で変わる余地があるからです。
「気分やノリ」だって重要です。簡単に食卓から排除せず「今日はその気にならないんだな」と考え、気長に接してください。実はこの方法、全て娘にも試したので、実証済みです。
すでに苦手意識があるなら、素材に触れる機会をつくりましょう。家庭菜園で、スーパーで、台所で。見た目が苦手だったら形や色が変わる料理に。食べた後で「実は嫌いな○○が入っていたのよ」と打ち明けるのはNG。苦手意識を強く植え付けることになるので、内緒にしていて構いません。
「食べなさい」と迫る言葉より、工夫が大事。ニコニコ料理を囲む時間は、何よりおいしい調味料です。
写真提供/井澤綾華さん
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