小学生のランドセル重すぎませんか? タブレットなど含め9.8キロの子も

ランドセルに加えて水筒や着替えなど多くの荷物を持つ小学1年生=6月、札幌市内の児童会館(野沢俊介撮影)

小学生のランドセルが重すぎると思いませんか。教科書のページ数は年々増え続けていますし、国が進めるICT(情報通信技術)を活用した教育の一環で、タブレット型端末も学校現場に浸透。新型コロナウイルスの感染防止や熱中症対策として、多くの学校が水筒を持参するよう求めています。子どもの負担が懸念されます。札幌市内の児童25人に下校時、ランドセルと水筒など、持っている荷物の重さを量らせてもらうと-。(報道センター 田口博久、宇田川創良、岩木由菜、光嶋るい)


まずは、ランドセルの歴史を振り返ってみましょう。メーカーなどでつくる「ランドセル工業会」によると、ランドセルは日本独自の通学かばんです。1885年(明治18年)、当時の華族の子弟の教育機関・学習院(東京)が、通学かばんに軍隊用の「背のう」を採用したのがきっかけです。背のうはオランダ語で「ランセル」と呼ばれており、転じて「ランドセル」になったといいます。当時から130年以上たってもランドセルの基本的な構造は変わっていませんが、大型化しています。

ランドセル売り場で、背負った感触などを試す子ども

ランドセル売り場で、背負った感触などを試す子ども

ただ、工業会によると「実は本体の重さは昭和後半ごろからほとんど変わっていない」そうです。技術や素材の進化で、より軽い商品が増えているということです。現在は人工皮革なら1.2キロ前後、天然革は1.4キロ前後が一般的といいます。では、子どもの荷物はなぜ重くなっているのでしょうか。問題はその中身です。

教科書 大型化、ページ数増加

ランドセルが重くなっている第一の要因は教科書です。大きくなったことに加え、ページ数が増えています。

まずは大きさ。教科書会社でつくる教科書協会(東京)によると、2005年度はB5判(横182ミリ、縦257ミリ)が教科書の96%を占めていましたが、20年度は大判のAB判(幅210ミリ、縦257ミリ)が40%、A4判(横210ミリ、縦297ミリ)が20%で、B5判は39%にとどまりました。

次にページ数。2020年度の小学生向け教科書全教科の合計ページ数は加盟16社平均で8520ページに達しました。05年度の1.75倍です。すべての教科でページ数が増えました。学習指導要領の改訂で「主体的・対話的で深い学び」の充実が求められ、記述が増えたりグラフィックが多く盛り込まれたりしたことが背景にあります。2018年度に道徳、2020年度に英語が必修化し、教科も増えました。

学校で浸透してきたタブレット端末

学校で浸透してきたタブレット端末

加えて、国は情報通信技術(ICT)を活用した授業を行う「GIGAスクール構想」で、タブレット端末を児童・生徒に1人1台ずつ配布しました。新型コロナウイルス流行の影響もあって、タブレットは教育現場に急速に浸透しました。コロナ禍の感染対策と熱中症対策で、大半の学校が水筒を持参するよう求めるようになりました。タブレットは1キロ前後、水筒はサイズによりますが、水を入れた状態では1キロを大きく超えるものも珍しくありません。

札幌市内で子どもたちの荷物の重さを量らせてもらいました

札幌市内で子どもたちの荷物の重さを量らせてもらいました

6月下旬の4日間、保護者などの同意を得た上で札幌市内の小学1~6年生計25人に、下校時のランドセルや習字道具、水筒など全ての荷物の重さを量らせてもらい…

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