• 政治は子育てに手厚く 道内保護者5人とオンライン座談会

    写真はイメージ(shimi / PIXTA)
    参院選は、子育てを巡って山積する課題を問う機会になります。北海道新聞くらし報道部は、「子育て世代が政治に求めるもの」をテーマに、オンライン会議システム Zoom(ズーム)で座談会を開きました。札幌、小樽、釧路市内の保護者5人が6月21日に語り合い、教育費の負担や、父親の育児参加、仕事と育児の両立などの問題が浮かび上がりました。

    <参加者>
    ・谷内(やち)政昭さん(46)
     =札幌市在住の会社員。中2、小5の父
    ・勝見由香里さん(34)
     =札幌市在住の主婦。5歳と2歳の母
    ・高井由香さん(35)
     =小樽市在住のパート。6歳の母
    ・平尾健太郎さん(33)
     =小樽市在住の団体職員。1歳の父
    ・伊藤美也子さん(45)
     =釧路市在住のパート。高1、中2、小5、小1の母
    (司会 北海道新聞くらし報道部・有田麻子)


    ――子育てにかかる費用の家計への現状の負担感はどうですか。

    高井: 収入は多くありませんが、3歳以上の幼児教育・保育無償化で、ぜいたくしなければ、収支トントンで暮らせています。でも、小学校に上がると、いったいいくらかかるのか不安です。

    伊藤: 小学生2人の学校教材費、給食費などこまごました費用が出ていきます。習い事や学童保育にもお金がかかり、正直厳しいです。
     
    平尾: 妻も正社員で、今のところ負担を感じることは少ないですが、将来かかるお金のことは心配しています。

    ――どんな制度や支援が必要だと思いますか。
     
    谷内: 小中学校などの教育に、もっとお金をかけてほしいです。少人数学級にして、教諭の配置を手厚くし、子ども一人一人に目が行き届くようになるといいです。
     
    伊藤: 子育て中のすべての人に支援が必要だと思います。児童手当も高校授業料無償化も、所得制限があるのは疑問です。
     
    高井: 日本の大学の授業料は、なぜこんなに高額なのだろう、と強く思います。もう1人子どもがほしいと思うが、ためらってしまいます。
     
    平尾: 生活困窮者の相談員をしています。家庭の経済的な状況により、進学など子どもの将来の選択肢が狭まっていると日頃から感じています。

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    進んでいない父親の育休取得

    ――仕事と育児の両立についてはどうですか。
     
    勝見: 今は主婦ですが、仕事をしたいと思っています。ただ、夫は週6日仕事があり、朝7時に家を出て、午後8~10時過ぎに帰宅します。私がほぼ1人で子育てをしていて、さらに外で仕事を始めるとなると負担が大きすぎます。
     
    伊藤: 父親の育児参加はまだまだ足りないと思います。PTA活動の集まりでも、参加者のほとんどが母親であることが多いです。
     
    谷内: この春、企業による育休取得の働き掛けが義務化されました。大きな政治の成果かと思います。ただ、育休を取りたい若い男性は増えていても、まだ言い出せる空気ではありません。
     
    高井: 夫の職場は土木関係で、人手が足りていないです。同僚の負担が増えることを考えると、おそらく育休の取得は難しいです。普段も週6日働き、日曜は疲れてダウンしています。
     
    平尾: 私はコロナ禍で在宅勤務をするようになり、保育園の送迎や家事をしやすくなりました。
     
    谷内: 私も在宅勤務が増え、今では週3日は夕飯を作ります。子どもの学校関係の提出物などは、すべて自分が処理しています。
     
    ――仕事と子育ての両立に必要なことは何だと思いますか。
     
    高井: 学童保育はパートよりフルタイムの子どもの利用が優先されるという話も聞きます。働くための環境がまだまだ整っていません。
     
    平尾: 学童保育の指導の質も心配です。安心して預けられる場があれば、親はもっと働きに出られ、経済的な不安も解消されてくると思います。
     
    谷内: 子育て支援に力を入れる兵庫県明石市では、人口も税収も増えたと聞きます。国の政策で子育て支援が不十分なのは、(子育てを担うことの多い)女性の議員が少ないからではないでしょうか。(候補者の一定割合を女性にする)「クオータ制」の導入が必要だと感じます。

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    一時的な出産費用より学校教育にお金を

    ――選挙のたびに、各政党は子育て支援を訴えていますが、現実とずれを感じる部分はありますか。

    勝見: 出産育児一時金の増額をうたうなど、出生率を上げるためだけの政策を打つ政党が多い印象はあります。一時的な出産費用よりも、学校教育などにお金を回してほしいです。

    平尾: 私も、そこじゃないなと思いました。自分たち夫婦は30代半ば、子ども1人。2人目を、と思った時に、(大学卒業までの)教育費が1人いくらかかるかと考えると、気持ちがしぼんでしまいます。

    性別での役割分担ない社会に

    ――子どもたちの将来のために、どのような社会を望みますか。

    谷内: 男性は仕事、女性は家事育児などと性別で役割分担をする社会ではなく、多様性を認め、個人個人を大切にしてほしいです。

    高井: 子育ては長期戦です。家族が一緒に過ごす時間が取れ、時間と心に余裕のある社会になってほしいです。

    伊藤: 結婚したくない、子どももほしくない若者が多いとニュースで見ました。それは、今の子育て世代がつらそうに見えるからではないでしょうか。必死で働いて、疲れ切って。コロナ下で出生数はさらに減りました。とにかく政治は子育てを一番に考えてほしいです。

    構成・文/有田麻子(北海道新聞記者)

    (2022年6月29日 北海道新聞朝刊掲載記事)

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