移住体験の子供 一時預かり 浦河・森のようちえんが開始 東京の夫婦利用、今後も3組交流人口増に期待

浦河町でのワーケーションを体験した東さん夫妻とかれんちゃん=浦河フレンド森のようちえんの園舎内

【浦河】幼保連携型認定こども園「浦河フレンド森のようちえん」は、休暇と仕事を兼ねた「ワーケーション」などで町内に家族で滞在する際に、子供を預かる取り組みを始めた。1歳以上の未就学児を対象に実施している一時預かりの「森の留学」の一環。13日から25日まで、第1号として東京のIT企業で働く夫婦が利用した。今後も3組の利用が決まっており、伊原鎮園長は「交流人口増や浦河の活性化の一翼を担えれば」と話している。

檜山管内厚沢部町や同町の農家などでつくる協議会が昨年12月に始め、現在、約80組のキャンセル待ちが出るほどの人気だという「保育園留学」と同様の制度を導入した。

今回利用したのは、浦河町内の移住体験住宅に滞在した東京都品川区の東祐太朗さん(33)、奈緒子さん(32)夫妻。2人はリモートワークが可能な都内の別々のIT企業に勤めており、かれんちゃん(3)を同園に預けて、「うらかわ優駿(ゆうしゅん)ビレッジアエル」や町乗馬公園のテレワーク用スペースで仕事をした。

東さん夫妻はコロナ禍が始まって以降、2拠点生活や移住体験に興味を持っていたが、未就学児を預けられる地域は少なく、踏み込めずにいたという。今回は約2週間の滞在で「(子供を預けられて)心に余裕が持てたので、この町の日常を楽しむことができたと思う。次は冬の生活も試したい」と声をそろえた。

かれんちゃんも、自然体験活動を中心に据えた北欧発祥の幼児教育「森の幼稚園」を取り入れた同園での生活を楽しんだ様子。奈緒子さんは「久しぶりに娘が全力疾走している姿を見た。のびのびできる環境がいいなと思う」と喜んだ。

現在は試験的な実施で、7、8月にも町の体験事業などで訪れる計3組の子供を預かる予定。同園は今後、町などと連携しながら本格的な事業展開を検討する考え。

町移住交流テレワーク誘致推進室によると、体験住宅(現在15戸)の年間の利用者は延べ40~60世帯。2021年度は延べ52世帯の90人が利用した。退職した高齢者や子供のいない世帯が中心だが「子育て世代の潜在的な需要は多い」と分析、同園の取り組みが移住、交流を進める施策の一つになるとみている。

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