幼児の弱視 最新機器で発見 7月から留寿都村 3歳児健診など対象

昨年、留寿都村のるすつ子どもセンターで行われたスポットビジョンスクリーナー(左)の使用体験会

【留寿都】村は幼児に弱視の疑いがないかを調べる最新の検査機器「スポットビジョンスクリーナー」(SVS)を1台導入し、7月から3歳児などを対象に運用を始める。弱視の早期発見、治療により視力の健全な発達につなげる狙いで、後志管内での導入は初めて。周辺の自治体でもSVSの導入を検討する動きがあり、活用が広がりそうだ。

日本眼科医会によると、視力は3歳頃までに急速に発達。6~8歳で完成して生涯の視力が決まる。弱視は遠視、近視、乱視、斜視により視力の発達が遅れる状態を指し、3歳児健診は弱視の有無を調べる上で重要。早期に発見できれば、就学前の治療、視力向上が期待できる。

ただ、環の欠けた部分や、カードに描かれている物を答えてもらう従来の視力検査は、子どもとの意思疎通などの問題で弱視を見逃すケースが一定程度あるという。

SVSは米国製で、子どもの目に光を当て、その反射を測定するなどして像を捉える力や両目のバランスをみる機器。遠視、近視、乱視、斜視に関わる数値などがモニターに示され、子どもの応答に頼らず、客観的に評価できる。精密検査が推奨される場合はメッセージが出る。1台120万~130万円程度するが、本年度から国が半額補助の制度を創設したことから、村は導入を決めた。

7月から運用を開始し、原則年2回の3歳児健診で活用。既に同健診の受診を終えた町内の幼児や、共同で同健診を実施している喜茂別町の幼児も対象とする。村保健医療課は「弱視の早期発見、早期治療により、子どもたちの健全な成長の一助になれば」としている。

周辺自治体ではほかに、俱知安町が本年度内のSVS導入を目指しており、ニセコ町も来年度の導入に向けて検討を進めている。

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