子育てママ、自分の食事も大切に! 札幌の栄養士らの「カフェ」好評

栄養チャージカフェ「マンマ」に参加した親子連れ

自分を後回しにしないで―。札幌の栄養士熊谷しのぶさん(42)と札幌保健医療大の金高有里准教授(40)らが本年度から、幼い子を育てる母親向けの食事イベント「栄養チャージカフェ『mamma(マンマ)』」を始めた。子どもを優先し、母親が自身の食事にまで気が回らないケースがあるため。熊谷さんらは「お母さんの健康を保つことが家族や子どもの笑顔につながる」と話す。

札幌で月2回「健康保って」

「おいしそう」。17日に札幌市中央区で開かれた「マンマ」で、一口大の天ぷらがのった押しずしが出されると、テーブルを囲んだ母親たちから思わず声が出た。この日は親子6組が参加。10カ月の長女と訪れた同市西区の佐川雅世さん(40)は「自宅だと、気付いたら夕方まで食事を取らない日もあった。子連れでおいしい食事も取れて、ありがたい」と話した。

熊谷さんは札幌で料理教室を主宰。金高さんは産前産後の母子栄養の研究をしている。マンマ開催は昨年秋、2人が札幌で開催した親子対象の料理体験会で、参加者が「朝ご飯食べていない」「食べたのは子どもの余り物とサプリメントだけ」などと話していたことがきっかけとなった。

学生が献立考案

2児を育てる熊谷さんは第2子出産後、栄養不足から不調が続いた時期があった。金高さんは研究を通じ、「母親の食生活は将来の子どもの健康状態に影響する」と考えており、2人でマンマを企画した。札幌市によると、離乳食の進め方など子どもの栄養について学ぶ機会はあるが、母親の栄養不足を柱にするのは珍しいという。

開催に当たり、金高さんは同大で管理栄養士を目指す学生ら約10人に協力を呼びかけ、栄養バランスを考慮したメニューを考えてもらうことにした。4月下旬から月2回ペースで開催し、いずれもほぼ定員いっぱいの人気ぶりだ。

5回目となった6月17日のメニューは、押しずし、トマトと卵のスープ、サラダなど計5品にデザートと飲み物も用意した。メニューを考えた同大栄養学科4年の宮北麻衣さん(21)は「使う野菜の種類を多くして見た目もかわいらしくした。喜んでもらえてよかった」と話した。

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