子育て世帯支援へ拠点 食品配達や相談 無料で 苫小牧市出身・五嶋さん「ネウボラ」設立

「苫小牧ネウボラ」の拠点と五嶋さん

苫小牧出身で、子育て支援団体のNPO北海道ネウボラ(札幌)の理事長を務める五嶋耀祥(ひな)さん(42)が、子育て世帯を支える団体「苫小牧ネウボラ」を5月に設立した。食品を無料配達する「宅食」をはじめ、市内に開設した拠点で無料相談などに応じる予定。五嶋さんは「子ども食堂などを運営する既存の支援団体と連携し、子育て世帯を包括的に支援したい」と話す。

五嶋さんは、妊娠中から継続的に子育て世帯を支援するフィンランドの制度「ネウボラ」の考え方に共感し、2015年に北海道ネウボラを設立した。札幌で乳幼児を育てる人が息抜きできる場を設けたほか、新型コロナウイルスの影響で困窮した世帯に弁当を届け、生活相談や悩みを聞く活動も行ってきた。

「地域で見守る仕組みを」

苫小牧ネウボラの設立は、今年1月に知人を通じて苫小牧市内の子ども食堂を見学し、運営する関係者と意見交換したのがきっかけ。出身地の苫小牧で、他の子育て支援団体と協力しながら、札幌での経験を生かした活動ができるのではないかと考えた。五嶋さんが苫小牧ネウボラの代表に就き、札幌から通って活動する。

宅食は申し込みがあった世帯に対し、今月中に始める予定。全国で生活に困っている人を中心に宅食を行う「こども宅食応援団」から届く食料品を各家庭に配る。拠点は市末広町に開設した。7月に無料相談のほか、子連れで利用できるスペース設置などを計画する。

五嶋さんは「子育て世帯と市民がつながる状況をつくって、地域全体で見守る仕組みを構築したい」と話す。(小野柚香)

(2022年6月14日 北海道新聞朝刊掲載記事)

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