妊婦健診の導入を検討 えざか産婦人科が開業 苫小牧

院内に設置された「4Dエコー」の機器と江坂院長

市内新開町4に、新たに「えざか産婦人科」(江坂嘉昭院長)がオープンした。出生率(人口千人当たりの出生数)が道内の市でトップクラスの苫小牧だが、現在、分娩(ぶんべん)に対応する市内の医療機関は市立病院と王子総合病院のみ。同産婦人科は分娩は行わないものの、妊婦健診の導入を検討しており、「両病院の負担を軽減し、苫小牧の周産期医療に貢献したい」(江坂院長)としている。

北海道保健統計年報によると、2019年の苫小牧市の出生率は6.8と、人口10万人以上の道内9市では帯広と並んでトップ。しかし、市内では民間の医療機関2カ所が、一昨年と昨年にそれぞれ分娩の受け入れを休止した。妊婦健診が可能な医療機関は市立と王子の両病院を含む5カ所で、関係者からは「(市立と王子の)負担軽減が課題」との指摘も出ている。

同産婦人科は5月に開業。生理の悩みなどの婦人科診療や、軽度の不妊治療を行うほか、胎児の様子を詳細に見ることができる「4Dエコー」を導入するなど、妊婦健診の体制づくりも進めている。

さらに、新型コロナウイルスの感染予防などに配慮し、広さ約5平方メートルで、壁で仕切った“半個室”状態の待合スペースを四つ設け、本人や家族がゆったりと待てるようにした。

江坂院長は「苫小牧の妊婦が安心して受診し、家族と集える場所を目指す」と話している。(林由樹)

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