おもちゃドクター活躍 旭川 2年で100個以上「治療」 子どもの笑顔にやりがい

ドライバーを手に修理するおもちゃドクターの藤田さん(左)と和多田さん(宮永春希撮影)

旭川市の民間施設「おもちゃライブラリー」(末広6の1)で、市民から持ち込まれた玩具を修理する「おもちゃドクター」が活躍している。毎週水曜に出張し、2年間で100個以上を直してきた。メスの代わりにドライバーを握り、子どもの笑顔のために日々、「治療」と向き合っている。

5月25日、おもちゃライブラリーに、親子連れが修理済みの玩具を受け取りに来た。子ども向けのおもちゃパソコンを受け取った島崎ひとみさん(44)は「マウスのコードが断線し、メーカーから修理に7千円かかると言われた。無料で直って助かった」と、娘の真緒迦(まおか)ちゃん(1)に笑顔を向けた。

ドクターを務めるのは、旭川市の藤田一郎さん(69)と士別市の和多田(わただ)勇さん(65)。藤田さんは電機メーカーで家電修理を、和多田さんは自動車関連会社で設備保全にあたり、定年退職後は「機械いじりが趣味」の2人だ。東川町社協に事務局を置く「おもちゃの病院ひがしかわ」で経験を積み、藤田さんは2020年2月から、和多田さんは今年3月から、おもちゃライブラリーに出張している。

玩具はドクター自宅で「入院治療」する。「家電製品と違って説明書も部品もなく、最初はねじを外すのが怖かった」と藤田さん。モーターを取り換えたり、電子基板を手作りしたりと作業は難解だが、「知識を試される面白さがある。経験を積んで上達したい」と和多田さんは意気込む。子どもの喜ぶ顔を見るのがやりがいだ。

ライブラリーはボランティア団体が運営。約300個のおもちゃがあり、子どもたちが無料で遊んだり、借りたりできる。修理の受け付けは毎週水曜の午前10時~正午、午後1~2時。入院期間は玩具によって異なり、大体1週間ほど。「治療費」は無料で、部品代のみもらう。その場で直せる場合は「緊急手術」も行う。

問い合わせは同ライブラリーの小池さや香代表(電)080・5085・4525へ。

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