絵本通じ平和考えて 札幌の専門店ひだまり緊急企画50冊 「生きることを脅かす行為許されぬ」
札幌市手稲区の絵本専門店「ちいさなえほんや ひだまり」(新発寒6の5)は、平和をテーマにした絵本約50冊を集めた緊急企画「今、平和を考える!!絵本展」を店内で開いている。ロシアのウクライナ侵攻を受け、店主の青田正徳さん(70)は「生きることを脅かす行為は許されない。絵本を通じて家族で共有してほしい」と話している。
絵本に込められた平和のメッセージを考えるきっかけになれば、と企画。店内には青田さんが1冊ずつ読んで厳選した約2500冊が並ぶ中、企画展に合わせて20種類を新たに加えた。お薦めは「ピース・ブック」(童心社)と「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」(汐文社)、「動物会議」(岩波書店)の3冊だ。
ピース・ブックは「平和ってなあに」の問いかけに、「新しい友達ができること」「大好きなお顔を思うとき」―などと答えていくストーリー。「平和」という抽象的な言葉を、テンポ良く具体的に表現する。
世界でいちばん貧しい大統領のスピーチは、「世界一貧しい大統領」として知られる南米ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカさんの演説を子ども向けに意訳しした。理想の世の中を考えるヒントが詰まっている。
動物会議は人間に戦争をやめさせるため、世界中の動物が集まって会議を開く。「きみたちの政府は、きみたちの子どもらとその将来を、くりかえし、けんかや、戦争や、わるだくみや、欲ばりによって、危険にさらし、破壊している」と象が演説するなど、人間に猛省を促す。
青田さんは「絵本には世代を超えて良心に訴える力がある。小さな店でも多くの方に広め、絵本屋の役割を果たしたい」と話す。企画展は30日までの午前10時~午後7時。火、水、木曜は定休。
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