キャンドルヨガ、暗闇で集中 帯広、幻想的な光「異空間」
照明を落とした部屋の中でヨガを行う「キャンドルヨガ」が、帯広市所有の「明治北海道十勝オーバル」(芽室町)内で行われている。わずかな明かりしかない幻想的な空間で行われるレッスンに参加した。
レッスン会場の部屋に入ると、すでに電気は消されていた。天井からは薄い青色の光が照らされ、床には、炎とそっくりの光を放つ電気式のキャンドルが10個ほど並んでいる。
静かな音楽が流れる中、インストラクターの熊野瑞紀さん(24)の呼び掛けでレッスンが始まった。「目を閉じて、呼吸を観察して」。肩甲骨回りや足の指を動かすなど、ゆっくりとした動きで、初心者の記者でも無理なく行えた。あおむけに寝ると、天井には星のきらめきのような緑と赤の小さなライトが照らされている。このまま寝てしまいそう。最後には「今日も一日お疲れさまでした」。仕事後に訪れた受講生らは、それぞれ「ロマンチック」「異空間」と話していた。
十勝オーバルのキャンドルヨガは、2020年7月から始まった。リラックスを目的としているが、暗闇の中で行う理由を聞くと、熊野さんは「周りが見えにくくなるからです」。仕事帰りで化粧も取れかけ、汗をかいた姿を見られるのが恥ずかしい人もいる。人目を気にしないことで「より自分自身に集中できるのが利点。自分のための時間をつくりに来て」と呼び掛ける。
十勝オーバルでは、暗闇で行うフィットネスもある。ヨガでは青かった天井の光は赤くなり、ダンスホールのように光がきらめいて乗りのいい音楽が流れる。「汗で化粧も落ちるけど、集中し、気持ちが高揚します」と熊野さん。
音更町内のヨガ講師森谷亜由美さん(37)は、キャンドルヨガについて「目から入るさまざまな情報を制限し、自らの感覚に意識を向けやすい」という。「キャンドル作りの作家が増えていることも後押しになっているのではないか」といい、さまざまな文化が融合しているようだ。
十勝オーバルのキャンドルヨガは16歳以上の女性のみで、回数券制(11枚つづり3千円、1回2枚)。3月は水曜、4月は木曜午後8時から。(電)0155・49・4000。森谷さんは「AYUS(アーユス)」の名で不定期で開催。
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