子ども接種、北海道内も開始 保護者に不安 自治体、情報提供に腐心

新型コロナワクチンの接種を受ける児童=3日、函館市の多田内科医院(桶谷駿矢撮影)

5~11歳の子どもに対する新型コロナウイルスワクチン接種が道内でも3日、函館市を皮切りに始まった。今後、各地で着手し、本格化する。子どもへの接種は12歳以上の一般とは異なる面が多く、保護者の間には副反応や将来の健康への影響に不安も残る。各自治体は誤接種防止や正確な情報の提供に心を砕く。

函館市は市内の医療機関11カ所で予約を受け付け、3日はこのうち「多田内科医院」で接種を開始。小学5年の男児(11)は「思ったより痛くなかった。コロナに感染して重症化したくないので打って良かった」。多田智洋院長(45)は「小児のコロナワクチン接種には賛否があるが、打ちたい人の安心につながるようお手伝いしたい」と話す。

人口が多い道内20市町の新型コロナ小児ワクチン接種日程

道内の対象者は27万4千人で、国や道は接種を受けるのは最大8割とみる。ファイザー製の子ども用ワクチンの第1弾3万3400回分は週内に全市町村に届く予定。北海道新聞が人口の多い道内20市町に行った調査では4日に札幌市、5日に岩見沢市、7日の週には8市町が着手する。

子ども用ワクチンは有効成分量が12歳以上の一般用の3分の1と仕様が異なり、各自治体は誤って一般用を注射しないよう神経を使う。20市町のうち集団接種会場設置を決めたか検討中は5市。網走市などは一般と子どもとで会場や接種日を別にするなど誤接種防止策を講じる。

基礎疾患がない子は感染しても重症化する可能性は低いとされ、ワクチン接種はリスクに比べメリットが小さいとの指摘がある。政府は子どもに予防接種法に基づく努力義務を課しておらず、各自治体も接種券発送の際に「努力義務はない」との説明書を添えるなど正確な情報提供に努める。苫小牧市は「打つ人、打たない人が出てくる中で、同調圧力が生じたり差別の原因になったりしないよう国は強く発信を」と望む。

会場には問診や体調悪化時の診察に当たる小児科医が必要だが地方では確保が難しく、函館市が集団接種会場の開設を見送る一因にもなった。ワクチン供給量も4月以降は見通せない部分があり、登別市は「具体的な接種計画を作りづらい」と話す。(芝垣なの香、五十嵐俊介、岩崎あんり)

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