ツルハ旭川中央ビルの子育て支援施設 相談窓口集約化目指す 一部手続きできず懸念の声

旭川市が9月にも西武旭川店A館跡地の「ツルハ旭川中央ビル」に新設する子育て支援施設に注目が集まっている。現在は別々の建物に分散している窓口を新施設に集め、妊娠中から小学校に入学するまでの子育て相談を1カ所で受け付ける狙いがある。一方、子育て中の親からは「手続きによっては、市役所庁舎へたらい回しにされるのでは」と懸念する声も上がる。

新施設では、妊娠後の母子健康手帳の交付や産前産後ヘルパー事業の申し込み受け付けを、同じ窓口で行う。乳幼児健診は市役所第2庁舎から新施設に移し、子育てや発達に関する相談も同時に受け付ける。窓口とは別に、子どもを遊ばせるスペースも設け、買い物途中の親子も利用できるようにする。

施設利用者には、ビル併設の立体駐車場などで使える駐車券を配る予定。市子育て支援部の中村寧部長は「手続きや検診だけでなく、育児の息抜きの場にもしてもらいたい。駐車場の利用時間も、余裕を持てるよう検討する」と話す。

この施設は新組織「おやこ保健課(仮称)」が運営する。母子保健課と子ども総合相談センターの機能の一部を集約する。現在は、それぞれの部署で出産や育児に不安のある妊婦や家族への支援を行っていたが、機能の集約により、限られた人員でより手厚い支援ができるようにする。

一方、子育て中の保護者からは中心部に新施設を開設することを懸念する声もある。市内の妊婦向けガイド本「るんるん」を発行し、7歳の子を育てる佐々木響子さん(41)が、SNSで親たちに意見を募ったところ「立体駐車場に車を止めるのが不安」「検診後はへとへとで買い物の余裕はない」などの声が集まったという。新施設では保育所の入所や医療費助成の手続きはできず、車や徒歩で市役所方面へ移動する必要がある。佐々木さんは「可能なら、全ての機能をツルハビルに集めてほしい」と要望している。(山口真理絵)

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