お産に向き合い続け3617件 釧路町の助産院「マタニティアイ」30周年

マタニティアイで30年の間に生まれた子どもの写真が貼られたアルバムを眺める成瀬恵院長。「どの子もはっきり覚えてます」とほほ笑んだ

マタニティアイで30年の間に生まれた子どもの写真が貼られたアルバムを眺める成瀬恵院長。「どの子もはっきり覚えてます」とほほ笑んだ

【釧路町】釧路・根室管内で唯一お産ができる助産院「マタニティアイ」(釧路町、成瀬恵院長)が今年、開院30周年を迎えた。扱ったお産は17日までに3617件に達し、地域から厚い信頼を得ている。11年前から院長を務める成瀬さんは「これからも地域と母親をつなぐ存在でありたい」と語る。22日には節目を記念した講演会が町内で開かれる。

成瀬院長「地域と母親つなぎたい」

マタニティアイは1988年10月、初代院長で助産師の春日井六実(むつみ)さんが開業。一人一人に時間をかけてじっくり向き合う同院の方針にひかれた成瀬さんは98年4月から勤務し、2007年から2代目院長を務める。少子化でお産の件数は減少傾向にあり、経営は決して楽ではないが、「とにかく残したい一心だった」と院長のバトンを受けた心境を語る。

スタッフ10人と24時間体制でお産に備える緊張感は、今も変わらない。それでも親子2代を取り上げたり、兄弟姉妹の出産に立ち会った経験が忘れられず助産師になった人もいることなどが、励みとなっている。「病院は検査や診察がなければ行きづらいかもしれないけど、ここは用がなくても立ち寄りやすい。『悩みを抱えているのは自分だけじゃない』と思ってほしい」。全てのお産が印象深いと振り返る成瀬さんは近年、母親のうつや孤立を防ごうと産前産後ケア事業に力を入れている。

同院のスタッフでつくる「釧路地域の子育てを支援する会」は開院30周年を記念し、乳幼児の胎内記憶を研究する産科医の池川明さんを招いた講演会を22日午後2時から釧路町コミュニティセンター(木場1)で開く。中学生以上対象で、前売り千円、当日1500円。学生無料。小学生以下の託児もある(要予約)。

問い合わせはマタニティアイ(電)0154・37・2110へ。(光嶋るい)

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