連載コラム「井澤綾華の働くママごはん」第33回

保存食で振り返る1年 時間がない時に大助かり

旬の時期は大量の生野菜でにぎわう農家の台所ですが、冬、そのままの状態で置いておけるのは、タマネギやキャベツなど、限られます。この時期に重宝するのが、仕込んでおいた保存食です。農家に嫁いでからは趣味になりました。

みそは大学生時代から10年以上作り続けています。農家の一員になってからは、ジャムやピクルス、冷凍野菜や乾燥野菜、漬物を実家の母に教わりました。大根のぶどう漬け、ニシン漬け、いずし、キムチにも挑戦しました。

少し手間に思うこともありますが、もう1品欲しい時や時間がない時に大助かり。買い物に行く手間も何度か省けるため、「保存食を作ってくれた自分」に感謝することが多々あります。

子どもたちが大好きな枝豆とスイートコーンは旬の時期に大量に下処理し、解凍すればすぐ食べられる状態にしてあるほか、コーンスープの素やむき枝豆にしてあります。同じ野菜でもグリルしたり蒸してから冷凍したり、生のまま冷凍したり、切り方も変えたり、ペースト状にしたり。料理によって使い分けられるように工夫しています。

冷凍すると半年以上持ちますが、冷凍庫の容量以上は保存できません。そこで紅しょうがやガリ、ピクルス、ジャムなどは瓶詰にして冷暗所で保存します。切り干し大根やにんにくチップス、ドライトマトなどの乾燥野菜も常備しています。

今年初めて作ってみたのはショウガと砂糖だけで作ったショウガシロップと、白みそ。ショウガシロップは料理や菓子の隠し味に使えます。白みそは、大豆の皮をすべて取り除くので手間がかかりました。西京漬けや料理の甘みを出すのに活躍しています。

今年は「産後の自分のサポートと家族のために」と特に張り切って保存食活動に取り組んできました。存分に助けられたいと思います!

教えてくれたひと

井澤綾華

料理研究家/管理栄養士

いざわ・あやか 管理栄養⼠。天使⼤(札幌)を卒業後、2016年に空知管内栗⼭町地域おこし協⼒隊員に。17年、町内で農家を営む孝宏さんと結婚、18年に⻑⼥乃々華ちゃんが誕⽣。19年に育児休業から仕事復帰した。フェイスブックで野菜のレシピなどを発信中。札幌市出⾝。

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