#7|工夫し自作の家具 空間改善 使いやすく
キッチンの作業カウンターは、サケの木箱とコンクリート型枠に使われる合板で作りました 「ステキな家をつくろう」
札幌在住の建築家、三木万裕子さんが、古民家をリノベーションして〝わが家〟をつくったときに学んだアイデアやノウハウをつづるコラム。設計の仕事を始めて間もないころ、予算の少ない内装の仕事をいただき、工務店に頼まないで私たちが工事を手がけることを提案したことがありました。工事に必要な大工仕事は宮大工さんに2週間ほど弟子入りし、習得しました。その時に家具職人が扱う特別な道具を必要としない、家具の作り方の基本を学びました。
内装の仕事は無事終わり、私たちはこの経験を何かに生かしたいと考えました。思いついたのは、当時自分たちが住んでいたマンションの住空間の改善です。キッチンは洗いカゴを置くと作業スペースがなくなるので、アイランド型の作業カウンターを製作。コンロスペースには、台を作り、その上に薄いIH調理器を設置。台の下の空間はフライパンや鍋の置き場にできるようにしました。IHの奥の空いている部分には調味料棚を作り、快適な調理スペースとなりました。
洗濯機上部の空間は、棚を作ることで有効活用できます。
手持ちのバスケットや家具に合わせて寸法を決められます続いて洗濯機の上部に棚を2段作り、洗剤やタオルの置き場所ができて、すっきりとしました。TV台や、はしご型のタオル掛けも製作。構想から家具の設置完了まで1週間足らずでしたが、生活は劇的に改善しました。
こうした工夫は他の家庭でも役立つのではないか?と直感しました。「リノベーション未満DIY以上」の仕事です。ラフでライトなリノベーション(改修)なので、「(ラ)ノベ」と名付けました。こうして習得した技術は、設計をする時も工事の過程を想像できたり、オリジナルの家具を製作したりと、今も仕事に生きています。
写真提供/三木万裕子さん
最新の記事
【住まい・インテリア】
-
2021/10/09
【最終回】#25|住宅の設計相談 依頼者の本心探って形に
-
2021/09/11
#24|暑さ対策の工夫 れんが敷き、足元ひんやり
-
2021/08/14
#23|楽しく寒さ解消 80代で薪ストーブ導入
Read More
おすすめの関連記事
-
Ranking
人気記事ランキング
Recommended
編集部のおすすめ
消費税の価格表記について
記事内の価格は基本的に総額(税込)表記です。2021年4月以前の記事に関しては税抜表記の場合もあります。
Pick Up