連載エッセー「ステキな家をつくろう」
#6|小さい家がいい 適正サイズで費用抑制
かつての家づくりは「大は小を兼ねる」の考え方でしたが、今は「小さくて住みよい」という選択も増えています。
わが家も購入当初、延べ面積140平方メートルあった築年の住宅の約3分の1を解体し、86平方メートルに減築リノベーション(改修)しました。
「適正」サイズの家の大きなメリットは費用面です。面積に比例する建築費用、光熱費、維持管理費を大幅に押さえることができます。また、戸建てなら庭や駐車スペース、排雪スペース、お隣さんとの距離もしっかり確保できますし、抑えた費用を、こだわりの素材や設備に投資することも出来ます。
家の大きさを「適正」にするには、暮らしに本当に必要な物を洗い出し、一つのスペースを幾通りにも使う方法があります。
例えば、洗濯機置き場を家族全員のクローゼットと兼用する方法。個室の収納スペースが少なくて済む上、洗濯物を運ぶ手間も省けます。あるいは、階段下スペースに、ゆったりした玄関土間を作り、幼い娘さんの遊び場兼猫の居場所とした例も。
これらは今まで設計した住宅で実現したアイデアで、お客さんと密に暮らしのイメージを膨らませることでどんどん出てきました。
わが家の場合は自宅と事務所を兼用していますが、折り畳めるデスクを移動することで、玄関や客間やリビングが事務所に早変わりします。
「住みよさ」は家族ごとに違います。それぞれに独自の最適な答えがあり、それを見つけるのが、家づくりの一番の楽しみではないかと思います。
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