• 2019/11/07

    夫が家事「分かるけど…」 「すべき」8割が自覚 妻「教えるの面倒」

    面倒だけど、誰かがやらなくてはいけない家事。日本では女性が家事を担う比率が高いですが、共働きや高齢者夫婦の世帯が増える中、家事は時に重荷になったり、イライラやもめ事の原因にもなっています。夫婦で平穏に家事を分け合うにはどうすれば良いのか、探ってみました。(酒谷信子)

    声荒らげ「手伝って」

     フルタイムで働く札幌市南区のマキさん(47)=仮名=は、保育園児と2人の小学生、会社員の夫、タカシさん(46)=同=との5人暮らし。平日は仕事と家事、子どもの世話に忙しく、休日も家事や習い事の送迎に追われています。本当は趣味の洋裁の腕を生かし、子どもの持ち物などを手作りしたいそうですが「今は残念ながら、時間の余裕が全くありません」と嘆きます。

     夫は時々掃除機をかけたり、皿洗いをしますが、居間でテレビを見たり、スマホをいじっている時間も多いそう。くつろぐ夫につい「この子の着替え、手伝ってよ!」などと声を荒らげてしまうこともあります。「私が声を荒らげると、家族もイヤな気持ちになると思い、自己嫌悪になります。何度も伝えていることは、黙っててもやってくれればいいのに」とマキさん。

     一方のタカシさんは「共働きなので半分ずつ家事を担いたいと思っていますが、なかなか妻のようには気が回りません」とぼやきます。タカシさん自身は子どものころ、家事は母親が担い、父親が家事をする姿は見たことがありませんでした。男性が家事をする様子を具体的にイメージしづらいと言います。

    退院の日に「夕食は」

     専業主婦の中にも、家事分担に複雑な思いを持つ人もいます。小樽市のサチコさん(70)=同=は地域のボランティア活動に週1、2回出かけますが、夫(70)が料理を全くしないため、いつも食事の用意をしてから外出しています。サチコさんが以前、肺に大病を患って入院した際も、退院した日に「今日の夕食は何だい?」と当然のように聞かれました。「夫は私より体も丈夫だし、少しぐらい料理をしてほしい。でも今から始めるのは難しいでしょうね」と諦め顔です。

     男性は一般的に、家事をどの程度担っているのでしょうか。内閣府が作成した資料によると、6歳未満の子どもを持つ夫婦の家事・育児時間の平均は、妻7時間34分、夫1時間23分(2016年)で、他の先進国より低い水準にとどまっています=グラフ上=。

     とはいえ、意識には変化が見られます。博報堂生活総合研究所が18年に行った調査では、「夫も家事を分担すべき」と考える男性は81.7%で、30年前の38.0%から2倍以上に増加しました=グラフ上=。家事に対する男性の意識は変わったものの、行動が伴っていない現状について、同研究所の十河瑠璃研究員は「男性の長時間労働に加えて、家事を長く担ってきた女性の中には『夫に教えるのは面倒なので、自分がやった方が早い』と考える傾向があることも影響しています」と分析しています。

    シェアのすすめ 札幌市が小冊子

     自治体も家事分担の必要性に着目しています。札幌市は今秋、小冊子「家事シェアのすすめ」を発行し、共働き夫婦の実情や、分担を進めるための心得などを、チェックリスト付きで紹介しました。「女性活躍を進めるには、男性の家事・育児への参加が不可欠。男性自身がその大切さに気づき、パートナー同士でコミュニケーションを取るよう促したい」と市男女共同参画課。B5判16ページ。市ホームページ(http://www.city.sapporo.jp/shimin/danjo/ssb.html)で公開しているほか、11月下旬以降に各区役所などで配布します。問い合わせは同課☎︎011-211-2962へ。

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