• 2018/07/10

    熱中症予防、意識的に水分を 目立つ住宅での発症

     すっきりしない天気が続いている。気温や湿度も上がり、道内でも熱中症の患者が増えつつある。屋外より住宅での発症例が多く、特に高齢者は患者の6割を占める。今後、道内は平年より気温が高く推移することが予想されており、専門家は「こまめに水分補給をしてほしい」と呼びかけている。

     熱中症は高温多湿にさらされ、発汗による体温調整がうまくできなくなり、体に熱がこもることで発症する。主な症状は頭痛やめまい、吐き気、倦怠(けんたい)感など。重症化すると意識障害やけいれんを起こし、最悪の場合は死に至ることもある。

    高齢患者が6割

     総務省消防庁によると、今年は4月30日から7月1日までに道内で、すでに151人(速報値)が熱中症で救急搬送された(前年同期168人)。うち高齢者(65歳以上)が93人と最多で、少年(7歳以上18歳未満)30人、成人(18歳以上65歳未満)27人、乳幼児1人。発症場所では「住居」が46人で最も多かった。

     札幌東徳洲会病院救急センター部長の松田知倫医師は「5、6月は急に気温が上がり、湿度も高くて対応できない。日ごとの気温差も大きく、体調を崩しやすくなる。今後も急に暑くなる日などは体が慣れていないため、注意が必要」と話す。

     予防で重要なのが水分補給。「尿の量が少ない時は、水分量が足りないと意識してほしい」と松田医師は言う。ただし、一度に大量に飲まないことが大切だ。自分のおなかと相談しながら、あくまで「こまめに、多めに」が基本という。

     特に、高齢者は注意が必要だ。加齢に伴って暑さや喉の渇きを感じにくくなり、体内の水分量も減少しているため、熱中症になりやすい。喉が渇いていなくても、意識的に水分補給を心掛けるようにしたい。

    周囲の声掛けも

     松田医師は「自己管理も大事だが、周囲の声掛けも大事」と指摘する。特に1人暮らしの場合、気温が上がる時間帯に電話して注意を促すなど、家族や地域、行政などが連携して気を配る必要性を強調する。

     汗をかいた時は塩分補給も大切になる。塩あめや市販されている塩分補給用タブレットなどを食べるのもお薦め。スポーツ飲料は塩分と水分を手軽に補給できるが、糖分が多めなので、塩分制限や水分制限について、医師から指示がある人は注意が必要だ。

     次に大事なのは室温管理。自身の感覚を過信せず、部屋に温度計や湿度計を置き、気にする習慣を付けるよう心掛けよう。環境省「熱中症環境保健マニュアル」では、室温を28度前後に保つことを推奨している。エアコンや扇風機を上手に使い、28度を超えないようにしよう。

     冷たさを感じることができるウエットティッシュやスプレーなども、最近よく売られているが、松田医師は「表面が涼しく感じるので気分を爽快にしてくれるが、体内の熱は放散されないので、熱中症対策にはあまりならない」と話す。

     気分が悪くなるなど、熱中症の疑いのある症状が出たら、水分補給のほか、涼しい場所で休ませる。氷を入れた袋を首の周りや脇の下、太ももの付け根など太い血管が通る場所に当てると、体温を下げるのに効果がある。松田医師は「軽度ならこれで改善することが多いが、意識がもうろうとしていたり、自分で水分を飲めなかったりした時は、すぐに救急車を」と呼びかける。

     環境省は、気温だけでなく湿度などを加味して危険度を示す「暑さ指数」(WBGT)をホームページで公開している。当日を含む3日分の情報を提供しており、上手に活用し熱中症予防に役立てよう。(根岸寛子)

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