• 2019/09/27

    ⑥ファームイン 農業の応援団増えれば <働くママごはん>

    北海道新聞朝刊「くらし(子育て)面」の連載コラム。筆者は、空知管内栗山町の料理研究家、井澤綾華さん。毎月第4金曜日に、「働くママごはん」と題して食育への思いをつづっています。

     
     井澤農園では私が嫁いでから、高校生や大学生の職業体験や、農村に泊まるファームインを行っています。今年は春と夏に私の後輩である天使大(札幌)の学生を農業体験で受け入れました。

     学生の受け入れにはメリットもありますが、食事や休憩時間など気を使わなくてはいけないことも少なくなく、慣れない家族には心労がかかることもあります。それでも受け入れるには意味があります。それは未来の農業の応援団を増やしたいからです。

     都心から車で20~30分走れば農家には会えます。しかし、消費者は農家を職人のように気難しい存在だと思っていることが多い。食卓を支えてくれているのに、作り手の顔や作業風景が見えづらく、誰がどんな思いで生産しているのかが、なかなか分からない。その精神的な距離のために、農業を「食」と分離して考えることにつながっているのではないかと思います。

     でも実際に学生を農家に会わせると、学生は目を輝かせ、農家はその学生の顔を見て得意げに話します。自分の農場で誇りを持って働く農家の姿に私が魅了されたのと同じように、学生たちもどんどんその人自身と作物に興味を持ちます。私は二者の距離が縮まるその瞬間がたまらなくうれしいのです。

     その後、農産物をその農家から買うことでももちろん、SNSなどでつながって応援してくれるだけでも現場のモチベーションは変わります。近年、天候不順や天災による農業のニュースが多く取り上げられていますが、生産の現場から食を理解し、冷静で賢い消費者になってほしいです。

    写真提供/井澤綾華さん

     PROFILE

    井澤綾華(いざわ・あやか)
    管理栄養士。天使大(札幌)を卒業後、2016年に空知管内栗山町地域おこし協力隊員に。17年、町内で農家を営む孝宏さんと結婚、18年に長女乃々華ちゃんが誕生。19年に育児休業から仕事復帰した。フェイスブックで野菜のレシピなどを発信中。札幌市出身。26歳。

    【Facebook】 https://www.facebook.com/izawa.aaa
    【Instagram】www.instagram.com/izawa_farm/

     BACK NUMBER

    <1> 仕事復帰の春 「おいしい」楽しく教える
    <2> 赤ちゃんをキッチンへ! 生きる知恵 こまめに伝承
    <3> 「好き」を増やす 「嫌い」自覚させない工夫を
    <4> おやつの時間 不足しやすい栄養素補う
    <5> 農業の情報発信 「おいしく食べて」の思い


    \北海道新聞朝刊「くらし(子育て)面」で連載中(毎月第4金曜日)/

    北海道新聞朝刊「くらし(子育て)」面(毎週金曜日に掲載)では、主に乳幼児や小中学生の子を持つ親世代を対象に、育児のちょっとした工夫やサポートに関する情報、行政の支援制度の解説など子育てをめぐる多彩な話題をお届けしています。
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