おせちの代表「三つ肴(みつざかな)」
お正月のお祝いに欠かせないとされている3種類の料理「三つ肴(みつざかな)」のレシピをご紹介。黒豆、数の子、五万米(田作り)が主流とされていますが、地域によっては「黒豆、数の子、たたきごぼう」のところもあるようです。
優しい甘さで汁までおいしく「黒豆煮」
黒豆:「忠実」と書いて「まめ」と読み、まじめに働くさまや体が丈夫であることを意味することから、勤勉で丈夫に暮らせるようにという由来があります。
材料(5人分)
黒豆
400g
A
水
2リットル
グラニュー糖
160g
塩
小さじ1/2
しょうゆ
小さじ1
*和三盆糖を使うと、より優しい甘さに仕上がります
作り方
- 黒豆はよく洗って水気を切る。
- 鍋にAを入れて火にかけ、煮立ったら火を止める。①と鉄玉子(またはスチールたわし)を加え、常温に一晩置いて味を含ませる。
- そのまま中火にかけて沸騰したら弱火にし、あくを取って落としぶたをする。
- 煮汁が足りなくなったら水(分量外)を足し、常に豆が煮汁に浸っている状態で2時間ほど煮る。
- 柔らかくなったら火を止める。煮汁に豆が浸っている状態でふたをして冷まし、鉄玉子を取り出す。
※写真では金ぱくをのせています
コツ・ポイント
- 鉄玉子は卵形をした料理用の鉄の塊。鍋に入れて黒豆を煮ると色よく仕上がります。豆は空気に触れないよう煮汁に浸しておくと、しわになりにくいです。
食感を楽しもう「数の子糸削りまぶし」
数の子:一腹の卵の数が多いことから、子孫繁栄を願う食材といわれています。
材料(5人分)
昆布
10g
水
カップ5
かつお節
50g
A
日本酒
大さじ1
しょうゆ
大さじ1
本みりん
大さじ2
塩数の子
300g
コメのとぎ汁
適量
糸削りかつお節
20g
作り方
- 昆布は分量の水に一晩つけて水出ししておく。
- 昆布を取り出して鍋に①の汁を入れ、火にかける。沸騰したらかつお節を加えて弱火にし、10分ほど煮出す。
- 火を止めて別の鍋にこし、Aを入れて火にかける。沸騰したらあくを取って保存容器に移し、冷ましておく。
- 数の子はコメのとぎ汁に1時間ほど浸しておく。
- 薄皮をむいて2リットルの水に浸す。1時間ごとに水を替えて全部で3回繰り返す。
- 水気を切って③に漬け、冷蔵庫に半日ほど置いて味を含ませる。
- 汁気を切って器に盛り、かつお節をのせる。
コツ・ポイント
- 数の子は最初にコメのとぎ汁に浸すことで余分な塩分が抜けるので、塩抜きに塩は使いません。数の子によって塩分濃度が異なるため、味を見て塩辛ければ塩抜きの回数を増やします。
酒にもご飯にも合う「五万米」
五万米(ごまめ):イワシは田畑の肥料に使うと豊作になったということから、五穀豊穣の象徴です。
材料(5人分)
カタクチイワシ
45g
きび砂糖
小さじ2
A
本みりん
小さじ4
しょうゆ
小さじ4
きび砂糖
大さじ2
ごま油
少々
作り方
- フライパンにイワシときび砂糖を入れて弱火で空いりする。香りが出てきたら火を止める。
- 小鍋にAを入れて沸騰させ、弱火で2分ほど煮る。膨らんだ泡が収まってきたら①を加え、火を止めてよく絡める。
- バットにごま油を薄く塗り、②を入れて全体を混ぜ、広げて冷ます。
料理制作/小葉松 弘恵 撮影/亀谷 光(光写真事務所) スタイリング/本多 えり子
こちらは道新ポケットブック2016年11月号「家のおせち」に掲載の記事です。
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