オンラインで朝礼や終礼 働くママ交流 「同僚タイム」で前向きに

「『おひとりさまワーカー』がつまずく問題を同僚タイムで解決したい」と語る、ウーマムの斎藤代表

子育てしながら働く女性を応援するオンラインサロンなどを運営するウーマム(旭川市、斎藤貴子代表)は、会社などに属さないフリーランスや、在宅でテレワーク勤務する母親の孤独感の解消や働く意欲の向上につなげようと、会員同士をつなぐ「同僚タイム」を始めた。オンラインで朝礼や終礼を行うもので「家事や育児に気を取られがちな在宅でもリズムが生まれる」と利用者から好評だ。

旭川のウーマム 悩みや疑問 共有

「朝礼を始めます。昨日は悪天候で雪がすごかったですね」。3月3日午前9時半、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」上に、自宅や車内からの参加者が集った。会員による日替わりの司会者が5分ほどトークを繰り広げた後、参加者が雑談を交わしながら、きょうの仕事内容や目標を語っていく。画面を閉じると、参加者はそれぞれの仕事へ向かった。

同僚タイムを企画した斎藤代表は元会社員。1歳、4歳、8歳の子どもがいる母親で、会社員の夫の転勤に伴う転職や出産などで、これまでに正社員で5回転職した。この経験から「持続可能な働き方でキャリアを積みたい」と、2018年11月に自らウーマムを起業。仕事と家庭のワークライフバランスや起業などについて学ぶ会員制のオンラインサロン「ウーマムラボ」の運営や、新規事業立ち上げ支援などを行う。

今年1月から導入した同僚タイムは「仕事は山ほどあるのに、働く意欲がわいてこない」との悩みを在宅ワークのラボ会員から聞いたのがきっかけ。新型コロナウイルス禍でテレワークする人が増える中、「在宅の1人仕事でも、毎日頑張れる仕組みを作ろう」と立ち上げた。旭川や札幌在住のネットショップオーナーや起業準備中の会員など1日平均10人ほどが集まり、朝礼(午前9時半~)と終礼(午後3時45分~)を各15分間実施している。

自宅で仕事が完結するという札幌市のファイナンシャルプランナー加納友美さん(36)は「終礼で1日のねぎらいの言葉をかけられると報われた感じがする」といい、参加者の業種も多様なため「悩みや疑問もいろんな視点から話が聞けて、視野が広まる」と語る。

東京女子大の橋元良明教授(情報社会心理学)が約3千人を対象に実施した新型コロナに関する調査では、テレワークによる疲労の増加や生産性の低下が浮き彫りになった。橋元教授は「会社の同僚などと違って、(職種や所属が異なる)横のつながりで雑談したり、悩みを気軽に共有したりできる点が同僚タイムの大きな意義では」と語る。

同僚タイムの参加費は3月末まで無料、4月から月額500円。 問い合わせは斎藤さん(電)090・2053・0108へ(平日午前9時~午後5時)。(高田かすみ)

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