• 新年度、育休から復帰 働き方選びのポイントは?

    写真はイメージ(よっし / PIXTA)
    新年度を控え、育児休業を終えて職場復帰した後の勤務時間をどうするか、迷っている人もいるのではないでしょうか。子どもを保育園に預けたうえで、子育てと両立しやすい短時間勤務の制度を使うか、フルタイム勤務で復帰するか―。専門家は「それぞれの働き方の長所、短所をよく理解して選んでほしい。事前に上司との話し合いも大切」と助言しています。

    短時間勤務、育児との両立しやすく

    長女(9)と長男(5)を育てる札幌市西区の会社員、香川美由紀さん(42)は、長女、長男ともに育児休業後、職場復帰し短時間勤務の制度を使いました。「自宅での時間に余裕がないと、気持ちの余裕もなくなるから」との理由でした。

    長男の育児休業後は、午前9時に出社し、午後4時に退社していました。短い時間でも責任ある仕事を任され「やりがいを感じた」と言います。ただ成果を出しても給与は時短分が減額となり、もどかしい思いもしました。

    札幌市白石区の成田亜希子さん(44)は、長男(7)が1歳の時、フルタイムで職場に復帰しました。当時、夫が病気を患っていて働けず、「収入を得るためフルタイムで働く以外に選択肢はなかった」と振り返ります。

    長男は午後8時までの保育園に預け、ぎりぎりまで残業する日もありました。お迎えの時、ほかの子どもたちは全員帰宅し、長男が1人だったこともありました。「そのたびに、子どもに申し訳ない気持ちになった」と成田さんは話します。一方、会社での居心地は短時間勤務で復帰した長女(12)の時より良かったそうです。1人だけ早く退社する気まずさがなかったからだといいます。

    キャリア考えフルタイム 復職前の面談が大切

    働き方の選択について、札幌を拠点に活動する育休後 復職アドバイザーの福沢由佳さん(39)は「職場で自分のなりたい姿をイメージし、どんな働き方ならそれをかなえられるのか考えて」と助言しています。

    福沢由佳さん
    福沢由佳さん

    福沢さんは、短時間勤務では子育てとの両立はしやすいが給与は減り、夕方の会議に出られないなど経験を思うように積めずキャリアアップのチャンスが減る可能性を指摘します。一方、フルタイム勤務は、育児との両立は大変だが、仕事の勘は戻りやすく給与も維持できる利点があるそうです。

    復帰後の働き方を考える際は、職場や家庭環境、自分自身の育児への考え方を整理しておくことが必要です。

    福沢さんは主な項目として《1》上司に育児との両立への理解があるか。会社の風土はどうか《2》実家の助けやベビーシッターの利用など育児のサポート体制《3》パートナーの働き方や、育児への関わり方《4》子どもの性格・特性(病気がち・人見知りするなど)―を挙げています。

    そして、働き方を問わず復帰前の上司との面談を勧めています。事前に確認することとして▽子どもが病気になった時はどうするか▽繁忙期の時間外労働はできるか―など。「上司は部下のプライベートなことは聞きにくいこともある。自己開示が必要」と強調しています。

    今は新型コロナの影響による保育園の休園など、突発的な事情で仕事が制限されることも考えられます。「仕事への意欲、出来ることを前向きに伝えておくことが大切です」と福沢さんは話しています。

    職場復帰後、親子関係どう築く 気持ちつなぐ遊びの時間 北大院・川田准教授

    共働きなどで子どもを保育園に預ける家庭では、限られた時間に、どう子どもと関係を築くべきでしょうか。発達心理学が専門の北大大学院教育学研究院准教授の川田学さん(48)に聞きました。

    川田学さん
    川田学さん

    「遊びが親と子の気持ちをつなぎます」と川田さんは強調します。例えば、保育園からの帰宅後なら、親やきょうだいと湯船につかり、おもちゃで遊びながら言葉を交わします。寝る前は絵本の読み聞かせもいいでしょう。「夜遊び」の時間は、子どもの大事な記憶として残ります。

    仕事が忙しく時間に追われると、家庭では食事と入浴、睡眠という生活するだけの場所になりがちです。遊びの時間が減るのは「子どもにすれば寂しいこと」です。平日の夜、遊びの時間が30分~1時間でもあれば、子どもの心が穏やかになるといいます。

    また、休日の過ごし方について川田さんは「遠出をしすぎないで」と話します。平日にゆっくり過ごせない分、子どもにとって初めて訪れる場所に出かけて、いろいろな経験をさせてあげたいのは親心ですが「乳幼児期は基本、家の近所でよい」といいます。

    「子どもは自分のペースで生活する時間を求めています」。見慣れた場所で時間たっぷり遊ぶと、安心できてストレスがありません。同じ場所に繰り返し行くと、日差しや雪の感じなど小さな変化に気づき、豊かな経験を得られるといいます。

    取材・文/有田麻子(北海道新聞記者)

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