• 2020/07/10

    ぜんそくの持病ある長女、学校でのコロナ感染心配 かかりにくく、重症化リスクとならない

    <瀬川院長のすくすくカルテ> Vol.15
    のえる小児科(札幌市豊平区)の瀬川院長が、日常診療の場でママ達から受ける様々な質問に答える連載コラム。
    毎月第2金曜日に北海道新聞朝刊「子育て面」でお届けしています。

    <質問>

     ぜんそくの持病がある小学1年の長女の登校に関する相談です。昨年インフルエンザにかかった際、ひどいぜんそく発作を起こして入院しました。学校で新型コロナウイルスがうつったら重症化するのではないかと心配です。

    <回答>

     新型コロナウイルス感染症(COVID19)の研究が進み、成人とは異なる小児の医学的特徴がわかってきました。

     まず、患者に占める子どもの割合が少ないことが挙げられます。日本を含む各国のデータで、小児の感染者は全体の2%前後と低く、子どもはかかりにくいようです。その理由は定かではありませんが、子どもは(ウイルスが細胞に侵入する際の窓口となる)受容体の発現が少ない、ウイルスを排除する自然免疫系が活発である、などが考えられています。

     現時点で子どもの感染者のほとんどは家族からの感染で、子どもが発端となる学校や保育所でのクラスター感染はないか、きわめてまれとされます。海外で、新型コロナに感染した9歳児の濃厚接触者112例を調べたところ、感染者はゼロだったという報告があり、小児患者から周囲への感染リスクは高くはないようです。新型コロナの場合、インフルエンザとは異なり、休校による流行阻止効果は乏しいとされています。

     子どもの患者の多くは無症状か軽症で、死亡例が少ないのも特徴です。ある報告では、小児の重症例は2%、致死率は0.08%となっています。日本での全体の致死率は5.3%なので、子どもの死亡例が少ないのは明らかです。

     最新の日本の研究で、気管支ぜんそくの患者はむしろ新型コロナにかかりにくく、ぜんそくは重症化のリスクとならないことが示されました。ぜんそくの患者は、ウイルスの受容体の発現が少ないためとされています。

     いずれにせよ、日頃の感染予防対策とともに、ぜんそくのコントロールをしっかりと行うことが大切です。

    (瀬川雅史=のえる小児科院長)