• 2020/06/12

    「おひな巻き」安全なの? 股関節きつく巻かないで

    <瀬川院長のすくすくカルテ> Vol.14
    のえる小児科(札幌市豊平区)の瀬川院長が、日常診療の場でママ達から受ける様々な質問に答える連載コラム。
    毎月第2金曜日に北海道新聞朝刊「子育て面」でお届けしています。

    <質問>

     生後2カ月の赤ちゃんですが、下ろすとすぐに泣くので、一日中抱っこすることもあり、困っています。知り合いから「おひな巻き」をしたらよく寝ると教えられたのですが、大丈夫でしょうか。

    <回答>

     おひな巻きとは、最近ブームの赤ちゃんのおくるみの巻き方の一つです。赤ちゃんがすっぽり包まれてまるでミノムシのような形になり、よく眠るようになるという声を聞きます。

     赤ちゃんをくるむことは英語でスワドリングと呼ばれ、昔から世界共通の習俗です。スワドリングの利点や安全性・リスクに関しては、医学的観点からさまざまに検討されています。

     スワドリングの利点は、赤ちゃんが落ち着き長く眠ることで、お母さんの育児負担が軽減されることです。安全性・リスクでは、股関節への影響があります。股の部分がきつく巻かれていると、股関節脱臼のリスクが高くなります。股関節が自由に外側へ開き、股を広げられるよう、ゆるく巻くことが大切です。

     乳幼児突然死症候群(SIDS)との関連も調べられています。スワドリングをしてうつぶせ寝、もしくは横向きで寝た場合、突然死のリスクはそれぞれ13倍、3倍になるという報告があります。突然死の予防にはあおむけ寝が励行されます。赤ちゃんが寝返りをするようになったら、スワドリングはリスクがあるのでやめるべきでしょう。

     赤ちゃんを温めすぎることも、突然死の危険因子の一つです。スワドリングで赤ちゃんが暑すぎないようにすることは、特にこれからの時期に重要です。また、授乳の間隔が開くため、母乳育児の早期の確立を邪魔するという報告があります。

     おひな巻きには以上のような注意を払うことが必要と考えられます。

    (瀬川雅史=のえる小児科院長)