• 2020/03/27

    新型コロナ 赤ちゃんへの影響は? 母乳から検出例なし 授乳には免疫獲得の効果も

     新型コロナウイルスの感染拡大が国内外で続いています。授乳中の女性にとっては、赤ちゃんへの影響が心配です。「知らないうちに自分が感染していたら」「母乳を通じて子どもにうつる可能性は?」など気になるところ。まだ症例は多くはないものの、感染した女性の母乳からウイルスが検出されたという報告はなく、専門家は「感染の可能性が特に高くない場合は、あまり神経質にならずに授乳を続けて」とアドバイスします。(酒谷信子)

     国際認定ラクテーション(母乳)コンサルタントの有資格者で小児科医の瀬川雅史さん(札幌)は「まだ完全に明らかになったわけではないが、新型コロナウイルスが母乳から感染する可能性は低いでしょう」と話します。成人T細胞白血病やエイズウイルス(HIV)など、一部の病気は母乳を通じて子どもに感染する可能性があることがわかっていますが、呼吸器感染症はこれまで母乳を通じた感染が確認された例はなく、新型コロナに感染した中国の女性患者6人の母乳からもウイルスは検出されなかったといいます。

    せき、接触でうつる可能性

     ただ、母乳そのものからは感染しなくても、授乳時の接触やせきなどで赤ちゃんにうつる可能性はあります。母親が感染していたり、感染者と濃厚接触があり検査中だったり、感染可能性が高い場合の対応については、国内外で見解が分かれています。

     日本小児科学会や日本新生児成育医学会は、母親が直接授乳することは避け、搾乳して与えるよう推奨します。一方、米国疾病対策センター(CDC)や世界保健機関(WHO)は、母親の体調がある程度安定していれば、マスクを着用し、しっかりと手を洗うなどの感染対策を行った上で、母親が直接授乳することも認めています。

     いずれにしても、母乳はできるだけ与えた方が良いようです。母親が感染した場合、体内ですぐに抗体が作られ、母乳を通じて赤ちゃんは免疫を獲得できます。母親と同様に、赤ちゃんや周囲の家族も既にウイルスにさらされている可能性が高く、「授乳を続けることが、むしろ赤ちゃんを守ることにつながります」と瀬川さん。

    乳児の重症化は1割

     赤ちゃんが万一感染した場合、重症化するリスクはあるのでしょうか。米国小児科学会の雑誌に掲載された論文によると、中国で感染した18歳未満の小児約2千人のうち、重症化した割合は5.9%。成人の18.5%よりは低かったですが、1~5歳は7.3%、1歳未満は10.6%と、年齢が低い子どもほど重症化率が高くなりました。

     新型コロナのリスクに関しては、今後も新たな情報が出てくる可能性があります。授乳について迷った場合の相談先について、道の新型コロナウイルス対策本部は「感染している可能性が高い場合は、各保健所に設置された帰国者・接触者相談センター(感染の疑いがある人の相談窓口=表=)へ、感染リスクが低い場合の個別相談は一般相談窓口へ連絡してほしい」(健康相談担当)としています。

    感染の疑いがある人の相談窓口

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