• 2020/02/14

    繰り返す耳の下の腫れと痛み おたふくかぜと見分けて

    <瀬川院長のすくすくカルテ> Vol.10
    のえる小児科(札幌市豊平区)の瀬川院長が、日常診療の場でママ達から受ける様々な質問に答える連載コラム。
    毎月第2金曜日に北海道新聞朝刊「くらし(子育て)面」でお届けしています。

    <質問>

     7歳の長男ですが、これまでに2回、右の耳下腺が急に腫れて痛がることがありました。昨年の大みそかにも左耳の下が急に腫れたのですが、痛みが軽かったので様子を見ていたところ、3日ほどで治りました。おたふくかぜワクチンは2回打っているのですが、今後どうしたらよいでしょうか。

    <回答>

     ご相談の病気はおそらく反復性耳下腺炎と思われます。耳下腺とは、耳の下にある唾液腺の一つです。耳下腺が腫れる子どもの病気で一番有名なのは流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)ですが、2番目に多いのが反復性耳下腺炎です。

     反復性耳下腺炎の多くは3~6歳ごろに発症します。通常は片側の耳下腺のみが腫れ、顎下腺(がっかせん)など他の唾液腺は腫れません。発熱や痛みは軽いことが多く、数日で症状は軽快します。再発は1回~年数回とさまざまで、多くは10歳ごろまでに治ります。原因は、口の中の菌が耳下腺に入るという説から、先天性の形態異常、アレルギー、免疫異常などが疑われていますが、はっきりとは分かっていません。

     一番大事なのは、流行性耳下腺炎と見分けることです。ワクチンの有効率は7~9割で、予防接種をしてもかかることがあります。また、1度かかるとその後一生ならないとされていましたが、現在は再感染することが分かっています。そのため、症状やワクチンの接種歴、罹患(りかん)歴だけで流行性耳下腺炎の可能性を完全に排除し、反復性耳下腺炎と断定することはできません。

     見分けるために有用なのは、耳下腺の超音波検査と血液検査です。反復性耳下腺炎の場合、超音波検査で特徴的な所見があります。血液検査での抗体測定は有用ですが、すぐに結果が出ないのが難点です。

     思春期になっても耳下腺のはれを繰り返す場合は、反復性耳下腺炎以外の病気の可能性がありますので医師にご相談ください。

    (瀬川雅史=のえる小児科院長)