• 2019/12/13

    4歳女児が腹痛 卵巣腫瘍と診断 病巣部分を手術で除去

    <瀬川院長のすくすくカルテ> Vol.8
    のえる小児科(札幌市豊平区)の瀬川院長が、日常診療の場でママ達から受ける様々な質問に答える連載コラム。
    毎月第2金曜日に北海道新聞朝刊「くらし(子育て)面」でお届けしています。

    <質問>

     4歳の次女が3カ月程前から時々腹痛を訴えるので、病院を受診し腹部超音波検査を受けたところ、卵巣腫瘍が見つかりました。さらにコンピューター断層撮影装置(CT)検査で卵巣奇形腫と診断され、これから手術の予定です。どういう病気なのでしょうか。

    <回答>

     4歳のお子さんに卵巣腫瘍が見つかったということで、さぞ驚きのことと思います。実は子どもの卵巣腫瘍はそれほど珍しい病気ではありません。発症年齢は10~15歳が最も多いのですが、5歳以下の発生例もかなり報告されています。発見のきっかけとなる症状は腹痛が最も多く、次が腹部の腫瘤(しゅりゅう)です。

     注意すべきなのは、卵巣腫瘍の「茎捻転(けいねんてん)」という、付け根のところがねじれて起きる激しい腹痛です。子どもの腹痛で多いのは胃腸炎や便秘症などのため、初期の段階で卵巣腫瘍の茎捻転を疑うのはかなり難しく、子どもでは診断が遅れがちになるのですが、超音波検査が発見にとても役立ちます。

     なお、子どもは卵巣の大きさに比べて卵管が比較的長いため、茎捻転を起こしやすく、また大きさが5~10センチの腫瘍が最も茎捻転を起こしやすいとされています。

     子どもの卵巣腫瘍は成人と異なり良性腫瘍が多いとされますが、まれに悪性腫瘍もあります。お子さんの卵巣奇形腫とは、脂肪、髪の毛、歯などが腫瘍の中に発生し、たまったもので、全卵巣腫瘍の15~25%を占め、子どもの場合多くは良性です。

     治療は手術となりますが、腫瘍のある卵巣を全部取ってしまうのではなく、腫瘍のある部分をくり抜いて取り、卵巣の部分を極力残す方法がとられます。ただし茎捻転の場合、それが難しいこともあります。なお、卵巣腫瘍は良性の場合でも15%ぐらいの頻度で再発があるとされますので、長期間の経過観察が必要です。

    (瀬川雅史=のえる小児科院長)