Baby&Kid's
  • 2019/01/06

    ゾフルーザと授乳 ほぼ支障ないが従来薬お勧め

    <瀬川院長の子育てカルテ>
    のえる小児科(札幌市豊平区)の瀬川院長が、日常診療の場でママ達から受ける様々な質問に答える連載コラム。
    月に1回、北海道新聞朝刊「くらし面」でお届けしています。

    <質問>

    1歳1カ月の長男に授乳中ですが、昨日インフルエンザと診断されました。1回飲むだけでよいという新しい抗インフルエンザ薬を処方されたのですが、授乳を止めるように言われて困っています。

    <回答>

    ご質問の薬はゾフルーザ(商品名)という抗インフルエンザ薬で、昨年3月に新発売されました。これまでの薬との違いは、1回飲むだけでよいという利便性にあります。

    便利な新薬の登場は良いことではあるのですが、授乳との関連からすると困ってしまうことの方が多い―というのが実情です。

    というのは、新薬が発売された時点では、授乳との関連についてのデータはほとんどないからです。あったとしてもラットなどの動物実験のもので、それをヒトに当てはめることはできません。

    世界で最も信頼されている米国立衛生研究所の母乳と薬に関するデータベースでゾフルーザについて調べてみると、ヒトの母乳に関するデータは「まだない」となっています。一つ確実なのは、ゾフルーザは93%が血漿(けっしょう)タンパクと結合すること。タンパク結合率の高い薬は母乳に出ないので、おそらくゾフルーザも母乳にほとんど出ないと推測されます。

    ご質問のケースの場合、1歳ですから、母乳だけで育っているわけではなく、さらに、まだ未発売ですが、小児用のゾフルーザは生後6カ月以上の乳幼児に使用できることがわかっていますので、授乳してもまず支障はないと考えられます。しかし、新生児や早産児の場合は控えた方がよいでしょう。

    なお、タミフルとイナビル、リレンザという従来の抗インフルエンザ薬は授乳に支障はありませんので、授乳中の方は安全性がわかっているそれらの薬をまず使用することをお勧めします。

    (瀬川雅史=のえる小児科院長)