• 2018/08/11

    <わたしがあかちゃんだったとき> ライバル登場に赤ちゃん返り 「あなたも大好き」伝えたいのに


    「絵本はママを育ててくれる」#6
    札幌で朗読活動を行う谷岡碧さんが、在京テレビ局記者を辞めて移住したタイでの子育てと、日々を支えた絵本についてつづります。


     4月に女の子を出産しました。生まれた時は3700グラム超え、よく寝てよく飲み、たくましく育っています。突然のライバル出現に戸惑う息子(4)は「ぼくも抱っこ!」と、絵に描いたような赤ちゃん返りをしています。

     寝る前の穏やかな“えほん時間”も様変わりしました。たいていはご機嫌な娘が、この時間に限ってギャンギャン泣くのです。片手に絵本を持ち、片手で娘をあやしながら読んでいたら、ページをめくってくれる息子の頭に絵本が落下! 「行間を大切に読まなくちゃ」なんて思っていたのが、今は文字を追うだけで精いっぱいです。

     我慢が増えた息子に「大好きよ」を伝えたくて「わたしがあかちゃんだったとき」を読みました。4年前はあなたも赤ちゃんで、小さな神様のようだった。窓へ差し込む光に気づいた、目の前の小さな手が自分のだと分かった、声を出して笑った。あなたは、たくさんの幸せをくれたんだよ。

     でも「赤ちゃん」という言葉に敏感になっている息子は「聞きたくない!」。穏やかな“えほん時間”は、いつ戻ってくるのでしょう。息子に1冊、娘に1冊、笑顔で読んであげられる日を楽しみに、新米2児ママは奮闘中です。

    (写真/谷岡 碧さん提供)


    「わたしがあかちゃんだったとき」
    (キャスリーン・アンホールト作、角野栄子訳 文化出版局)

     3歳の女の子とお母さんの会話から、親は子の成長が穏やかな喜びに包まれてきたことを思い出し、子どもは愛されて育ったんだと気づくでしょう。うれしそうに赤ちゃんを世話するお父さんの姿もすてきです。

    (2018年8月11日付 北海道新聞「週刊じぶん」掲載)

     PROFILE

    谷岡 碧(たにおか・みどり)
    2007年にテレビ東京へ入社、記者として秋葉原連続殺傷事件や東日本大震災の被災地を取材。12年に退社、チェンマイへ移住しNGOスタッフとして勤務。その後退職し17年に札幌へ帰郷、幼なじみのピアニストとユニット「enets」(エネッツ)を立ち上げ、絵本の読み聞かせとピアノ演奏によるコンサートを続けている。長男(4)と18年4月生まれの長女を育てる母として奮闘中。札幌市出身。33歳。

    enets公式サイト