連載コラム「ゆきりん先生の親子でおうち学習」第32回

#32|自分に合った勉強法 集中型か複数型か

#32|自分に合った勉強法 集中型か複数型か

狩猟・採集時代の男女の役割は「男性は自然の中で動物を狩猟」「女性は木の実の採集や動物の調理」といわれます。男性は動物を追って森の中を駆け回るので道を覚えるのに強く、空間認知能力にたけているとされます。1匹の動物を追うことに、ものすごい集中力を発揮します。 

女性は、ほかの家庭の女性たちと言語を使って話しながら、近所付き合いや採集をしていたとされます。調理にはさまざまな工程があり、「あれをやって、これをやって」と多くの物事を同時にこなす必要があるのです。「おしゃべりしながら」というところから、言語能力にも優れます。 

これらのことから、男性は目の前にあるものを集中してこなす「モノタスク」が得意な傾向にあり、女性は複数の作業を同時に行う「マルチタスク」を得意とすると言えそうです。

これを現代の勉強に置き換えます。1時間の勉強をするとしたときに、男子の多くは「この教科に集中しよう」と、やることを絞った方が能力を発揮しやすいと考えられます。モノタスクなので、あれこれやるより、しっかりと目標を立てた方がよいのです。 

これに対して女子は「なんだか疲れてきたなー」と思ったら、「教科をいろいろと変えてリフレッシュ」する工夫が大事です。

もちろん、女子のような勉強が合っている男子もいますし、その逆もあります。年齢によっては男子的な要素が強い場合もあるし、高学年になったらコツコツと、まんべんなく勉強をしていくマルチタスクが求められてきます。

自分の子どものタイプはどっちかな―と考えながら得意不得意を探っていく作業も、楽しんでほしいなと思います。

教えてくれたひと

本多抽紀江さん

家庭教師

ほんだ・ゆきえ/家庭教師歴約30年。SNSを使った家庭学習支援「ぱんだちゃんのおうち学校」の校長も務める。著書に「勉強に自己肯定感は必要ない」(西日本出版社)がある。北海道を拠点に、関西、関東で活躍中。胆振管内安平町在住、2児のママ。

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