• 〈あそぶ→そだつ〉#7|リズム感養い手指成長


    「あそぶ→そだつ」
    遊びを通した⼦どもの発達について詳しい増⼭由⾹⾥さん(札幌国際⼤准教授)が、さまざまな遊びの意味を解説。北海道新聞朝刊「⼦育て⾯」で毎⽉第3⾦曜⽇に連載しています。


    おもちゃのドラムをバチでたたく遊びについて考えてみましょう。おもちゃのドラムは手でたたいてもバチでたたいても音が鳴りますが、その音色は違います。
     
    6月に訪れた札幌市内の保育園で、2歳前後の男児2人が「ソリッドドラム」というおもちゃをバチでたたいていました。自分の手でたたくのとは違う音が聞こえていたはずですし、たたく力に強弱をつけると、音も変化することに気がついているようでした。
     
    バチをはじめ、私たちの周りには多くの道具があります。子どもにとって道具の使用は手や指の成長にもつながります。道具によって握る強さや握り方を変え、手や指、腕の使い方を試行錯誤し、うまく使いこなそうとするからです。バチでいろいろな音を鳴らすのも、その一つです。

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    上手に操作するには、握ったりつまんだりして器用に動かすための手や指の成長に加え、その道具にどんな機能があるかという理解が必要です。どの道具をどの時期に使わせるかは、子どもの手指の成長や道具の理解度に合わせましょう。使い方が難しすぎる道具を与えたり、大人が使い方を修正しすぎたりすると、子どもは自分で道具を使う意欲や楽しみを失います。
     
    前述の園児たちがソリッドドラムをたたき続けていると、保育者が手拍子を打ちながら歌い始めました。それに合わせ園児も、たたきながら歌い始めました。子どもたちが日頃から歌っている大好きな歌だったようです。すると、少しずつ歌のリズムにドラムの音が合うようになりました。こうやってリズムを体得するのですね。
     
    別の日に園を訪れると、園児たちはドラムをひっくり返して底面をたたいたり、たたくスピードを変えたりして、音の違いを確かめていました。子どもの探究心は尽きることがありません。

    増山由香里

    増山由香里(札幌国際大准教授=発達心理学)

      1972年生まれ、岩見沢市出身。岩見沢東高から藤女子短大(当時)へ進み、幼稚園教諭、保育士資格を取得。保育現場で勤務後、北大に編入し、北大大学院に進んで修士課程修了。旭川大学短期大学部准教授などを経て2017年から札幌国際大人文学部准教授。保育現場での出合いから、おもちゃや絵本への関心を深めた。編著に「具材―ごっこ遊びを支える道具」(17年、庭プレス)がある

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