• 〈あそぶ→そだつ〉#6|持って支えて両手使う


    「あそぶ→そだつ」
    遊びを通した子どもの発達について詳しい増山由香里さん(札幌国際大准教授)が、さまざまな遊びの意味を解説。北海道新聞朝刊「子育て面」で毎月第3金曜日に連載しています。


    2カ月前、札幌の保育園で見た1歳2カ月の女児の遊びについて紹介します。

    1辺5センチの立方体の中央に穴があり、そこに円柱のパーツがはまる「リグノ」というおもちゃがあります。並べたり積んだりして楽しめる積み木ですが、1歳前後の子どもが最初に楽しむのは、円柱を穴に入れる遊びです。

    ぴったりとはまるのが気持ち良く、収めては外しを繰り返します。うまく入らないと試行錯誤が始まります。出番が増えるのが、利き手ではない、もう片方の手。利き手で円柱を持ち、一方の手で立方体を支えるというように、左右の手を別々に動かして協調させます。これは自分で食事をするようになった時に、食器を持ったり支えたりする行為につながります。

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    両手をよく使って遊ぶこの女児は、左手に立方体を持ち、右手で円柱を持って横向きに入れる遊びに挑戦。円柱が入るように持ち方を変えるなど、左手がしっかりサポートしています。このように両手を協調させる行為は、ボタンを留める、ふたを開けるなど生活の中でさまざまにあり、利き手ではない手の役割が重要です。

    さらに進むと、円柱を落とさず抜き取れるようになります。そのためには、立方体を持っていた左手で円柱を持つという持ち替えの作業が必要です。この難しい動作ができれば、ひもを通す遊びもできるようになります。たくさん手を使って遊ぶと、より器用に両手を使えるようになります。

    一生懸命に取り組んだ後、子どもは大好きな人の顔を誇らしげに見ることが多いです。これは子どもが自尊感情を高めるために大切な行為。大人は目が合うように配慮しましょう。

    増山由香里

    増山由香里(札幌国際大准教授=発達心理学)

      1972年生まれ、岩見沢市出身。岩見沢東高から藤女子短大(当時)へ進み、幼稚園教諭、保育士資格を取得。保育現場で勤務後、北大に編入し、北大大学院に進んで修士課程修了。旭川大学短期大学部准教授などを経て2017年から札幌国際大人文学部准教授。保育現場での出合いから、おもちゃや絵本への関心を深めた。編著に「具材―ごっこ遊びを支える道具」(17年、庭プレス)がある

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