• #5|「あそぶ→そだつ」上手につまみ手指発達

    2021/08/20

    「あそぶ→そだつ」
    遊びを通した子どもの発達について詳しい増山由香里さん(札幌国際大准教授)が、さまざまな遊びの意味を解説。北海道新聞朝刊「子育て面」で毎月第3金曜日に連載しています。


    数年前、札幌市内の保育園で1歳3カ月くらいの男児が指先を器用に使い、穴の空いた容器に次々とチェーンリングのおもちゃを入れていました。しかし長くつながったものは先端がゆらゆらと振れ、うまく入りません。容器の穴と揺れるリングの先を見ながら手の動きを微調整し、ようやく入りました。そして、うれしそうにほほ笑みました。

    生後8~9カ月がたち自分で座る姿勢を保てるようになると、赤ちゃんは両手を使って活発に遊び、親指と人さし指で物をつまめるようになります。このころに楽しくなるのが、つまんで入れるという遊びです。遊ぶほど手指の発達が進み、物の操作が安定します。

    冒頭で紹介した容器は、ふたに丸く穴を開けただけの簡単な手作り品です。最初に容器に入れる物はチェーンリングよりも、つかみやすく先端が揺れたり振れたりしない棒状の物(フェルトをクルクルと巻いて縁を縫った物など)がお薦めです。ただ、口に入れると危険なものは避けましょう。

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    器用に容器に入れられるようになったら、短くつないだチェーンリングを用意します。徐々に長い物を加えると、同じ遊びでも少し難しくなります。難易度は穴の大きさでも変わります。チェーンリングは2重につなげば強度が増し、引っ張っても壊れにくいです。

    物の動きに合わせ手の動きを調整するのは、乳児にとって簡単ではありません。この試行錯誤をくり返した遊びが、物を確実に操作できる力を高め、道具の使用に結びつきます。

    物をつまめるようになったら、食事やおやつの際に小皿を用意してみましょう。自分の手で食べられるようになると、食が進むかもしれません。

    増山由香里

    増山由香里(札幌国際大准教授=発達心理学)

      1972年生まれ、岩見沢市出身。岩見沢東高から藤女子短大(当時)へ進み、幼稚園教諭、保育士資格を取得。保育現場で勤務後、北大に編入し、北大大学院に進んで修士課程修了。旭川大学短期大学部准教授などを経て2017年から札幌国際大人文学部准教授。保育現場での出合いから、おもちゃや絵本への関心を深めた。編著に「具材―ごっこ遊びを支える道具」(17年、庭プレス)がある

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