• #4|「あそぶ→そだつ」はいはいで歩行安定


    「あそぶ→そだつ」
    遊びを通した子どもの発達について詳しい増山由香里さん(札幌国際大准教授)が、さまざまな遊びの意味を解説。北海道新聞朝刊「子育て面」で毎月第3金曜日に連載しています。


    先月に札幌市内の保育園で見た、1歳になったばかりのお子さんのはいはいについて紹介します。

    ミルクの空き缶を利用した保育者の手作りおもちゃが転がると、はいはいで素早く追いかけました。おもちゃに手が届くと自分の手でさらに押し、また追いかけ、今度は太鼓のようにたたいて遊びます。手も足もよく使っていました。

    はいはいができるようになると、子どもは喜んで動く物を追いかけます。それまでの「ずりばい」とは比較にならないスピードです。腹筋や背筋が鍛えられ、左右の腕や足を交互に協調させて動かすので、歩行に向けて大切な準備になります。手のひらを床にしっかりつける動きは、歩行で転んだ際に手を出して身を守る動作にもつながります。

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    はいはいでいっぱい動くためには転がるおもちゃが欠かせません。時には大人が後ろから「まて、まて、まて」と言いながら床を手でたたき音を出して追いかけてみましょう。これは初めての追いかけっこ。大人は決して子どもを追い越さず、子どもが人の前を行く喜びを味わえるようにすると良いそうです(岩手県遠野に伝わる、人を育てるわらべうたの教えです)。

    冒頭のお子さんは入園当初、緊張もあったのか家庭でしているはいはいを、あまりしなかったそうです。1カ月後には園でも動きが活発になったとのこと。このように、身体が発達しても安心できる環境がないと、自分の能力を十分に発揮できないと分かります。

    お子さんは最近立てるようになりました。やがて歩き始めるでしょう。はいはいでたくさん遊んでいるので、きっと歩行が安定するはずです。保育者は、その時を保護者と楽しみに待っています。

    増山由香里

    増山由香里(札幌国際大准教授=発達心理学)

      1972年生まれ、岩見沢市出身。岩見沢東高から藤女子短大(当時)へ進み、幼稚園教諭、保育士資格を取得。保育現場で勤務後、北大に編入し、北大大学院に進んで修士課程修了。旭川大学短期大学部准教授などを経て2017年から札幌国際大人文学部准教授。保育現場での出合いから、おもちゃや絵本への関心を深めた。編著に「具材―ごっこ遊びを支える道具」(17年、庭プレス)がある

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