連載コラム「ゆきりん先生の親子でおうち学習」第28回

#28|工作や自由研究 親子で「好き」を形に

もうすぐ夏休みですね。昨年は長期休みが短かった地域もあり、久しぶりの長い休みに心が躍る親子もいるでしょう。そして昨年はなかった工作や自由研究の宿題も、今年は出題される学校が多いかと思います。

親御さんからは毎年、「いったい何を作ったらいいのだろう」「自由研究を書かせるのが苦痛なんです!」という悩みも聞こえてきますが、実は工作や自由研究は「好きなことを形にする絶好のチャンス」でもあります。普段はなかなかできない挑戦や製作を、親子で思いっきり楽しんでほしいと思います。

わが家では7月に入ると、工作や自由研究で何をやりたいかのインタビューを始めます。子どもたちは春の段階から「今年はこれを作りたい」「これを調べたい」と考えています。

例えば小3の娘は「今年はクッキーのレシピを自由研究にしたい」「工作でもいいなら人気のキャラクターのマスコットを作りたい」と意気揚々と話します。保育園年長の息子に宿題はないものの、姉のまねをして「今年も虫の標本を作りたい」と虫が苦手な私にとって、ぞわっと来るようなことを言っています。

とても楽しそうにあれこれと計画を立てる様子を見て、まさに「非認知能力」を育んでいるのだな、と思います。非認知能力とは目標や意欲、興味・関心を持って粘り強く、仲間と協調して取り組む力や姿勢のことです。

少しシビアな話をしますと、中学に入ると美術や技術家庭科にも5段階評価がつき、高校受験に大きく関わります。図工や絵の描き方は感性のままでうまくいく場合もありますが、基本を知らずに中学生になり、点数がついて苦しむ子も少なくありません。ぜひ長期休みの自由研究や工作を通じ、製作する過程を一緒に学んでほしいと思います。

教えてくれたひと

本多抽紀江さん

家庭教師

ほんだ・ゆきえ/家庭教師歴約30年。SNSを使った家庭学習支援「ぱんだちゃんのおうち学校」の校長も務める。著書に「勉強に自己肯定感は必要ない」(西日本出版社)がある。北海道を拠点に、関西、関東で活躍中。胆振管内安平町在住、2児のママ。

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