連載コラム「ゆきりん先生の親子でおうち学習」第18回

#18|学年を「先取り」 見えない概念を勉強

今の学年より上の学年の勉強をすることを先取り学習といいます。私はどんどん取り入れて勉強を進めてほしいなと考えています。

「千円で仕入れた商品に2割の利益を付けて定価にして、そこから2割引きで売り、消費税を加えるといくら」。このような計算は、計算機を使って小学1、2年生にも触れてほしい。

この場合、利益を付けるなら1.2倍、割引なら0.8倍、消費税は、1.1をかける。計算機を使っているうちに、理解はあとからついてきます。割り引くと値段が上がるのか下がるのか分からない中学生も結構多いのです。ぜひ計算機を持って、スーパーの売り場で割引商品の値段を楽しく出してください。

また、小4で習う「がい数」や「切り上げ、切り捨て、四捨五入」が苦手な子どもも少なくありません。「540円の物を二つ買うときに千円で足りるか?」という質問に、なぜか四捨五入して間違う子が多いのです。場合に応じた数字の考え方を大づかみでいいから早めにとらえるといいでしょう。

そして漢字。低学年では目に見える「山」「川」などから習います。高学年になると、例えば「存在」という漢字が出てきます。文字としては難しくないのですが、「存在」という目に見えない概念の勉強にもなるのです。

先取りは、言葉の意味や使い方を親子で話すきっかけになります。何より、本が楽に読めるし、新聞にも親しめるようになりますよ。

教えてくれたひと

本多抽紀江さん

家庭教師

ほんだ・ゆきえ/家庭教師歴約30年。SNSを使った家庭学習支援「ぱんだちゃんのおうち学校」の校長も務める。著書に「勉強に自己肯定感は必要ない」(西日本出版社)がある。北海道を拠点に、関西、関東で活躍中。胆振管内安平町在住、2児のママ。

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